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鉄道の旅の記念となる「鉄印」は、樽見鉄道本巣駅でも押してもらえる。沿線にはこの時期、名産の柿が実った畑が広がり、味覚の秋を満喫できる。
19駅を1時間で
大垣市中心部から、日本三大桜の一つ、
車窓から見えるのが、甘みが強く軟らかい果肉で知られる「富有柿」など柿の畑。瑞穂市の十九条駅―美江寺駅間は畑と車両をカメラで撮影できるスポットだ。
「甘くて新鮮」PR
本巣市の糸貫駅周辺では、樽鉄に沿うように延びる国道157号に柿の販売所が点在。その一つ、「柿の里ふれあいセンター直売所」では、農家が持ち込んだ柿が販売されている。特に、11月の週末、買い求める県外の客でにぎわう。
社長の杉山正信さん(80)は「新鮮なのが自慢で、この辺の柿は特に甘いよ」とPRする。近くには、柿の資料展示施設や学習施設がある。
しいたけに舌鼓

北に足を延ばすと、しいたけを十分に味わえるところがある。谷汲口駅からコミュニティーバスで約10分、谷汲山華厳寺の門前町にある老舗飲食店「谷汲しいたけ園」だ。
原木栽培を売りにしており、しいたけの焼き物、揚げ物、ご飯、川魚の塩焼きをそろえた「
華厳寺は西日本の観音霊場を巡る「西国三十三所巡礼」の33番目の寺で、紅葉の名所として有名だ。店主の山本直哉さん(43)は「大自然の中で育ったしいたけのおいしさと紅葉の美しさを一緒に味わってほしい」と話す。(野村順)
スタンプ5回押して完成

樽見鉄道の鉄印は、沿線観光のシンボル・淡墨桜や、車両で使用しているアユ形のつり革、タルミの字を崩した社章を配置したデザイン。桜の部分がピンク色になっているのがポイントだ。
記帳はスタンプ方式で、5回押さないと完成しない。考案した運転士で企画営業課長の清水弘樹さん(35)は「せっかく来ていただいたお客様に、ただ鉄印の紙やシールを渡すだけでは味気ない。手間をかける分、会話を楽しみ、地域の魅力を伝えたい」と話す。
こうしたふれあいも、ローカル鉄道の楽しみの一つだ。鉄印帳2200円、記帳料300円。いずれも本巣駅で扱っている。問い合わせは、樽鉄(0581・34・8039)へ。
各地域の「鉄印帳を携えて」も読めます。