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JR中央線・恵那駅を起点として東美濃地方の高原地帯を南下する全長25・1キロの路線だ。峠越えが2か所あり、終点の明智駅周辺は大正時代のテーマパーク、「日本大正村」がある。それに加えて明知鉄道と言えば企画列車がおなじみだ。
キノコ8種料理


午後0時25分恵那発の急行「大正ロマン号」は通常の車両に「食堂車」を連結して運行される観光列車。食堂車と言っても通常の車両にテーブルを持ち込んだだけだが、予約すると、郷土料理や地酒を楽しめる。
9月のシルバーウィークでは、久々に4両編成で運行された。恵那駅のホームは3両分までの長さしかないため、先頭の「寒天列車」には2両目の「きのこ列車」から乗り込んだ。
沿線には寒天の産地があり、1987年から寒天列車を運行している。いまや全国各地でみられる観光食堂列車の先駆けだ。
「急行ですが、名所では徐行して、各駅停車より時間をかけて走ります」。アテンダントの女性の軽妙な車内放送に笑いが起きる。とはいえ、終点の明智駅まで54分。「きのこ列車」の車内では早速、
地酒でほろよい 隣の「

「女城主」醸造元の最寄り駅、岩村で降りると、石垣が残る山城まで、1・3キロの緩やかな坂の両側に2階建ての商家や旧家が続く、国の重要伝統的建造物群保存地区だ。
「
坂の終わり近く、「女城主」醸造元の向かいから甘い香りが漂う。1796年(寛政8年)創業の松浦軒本店は、「カステーラ」の店。長崎で蘭学を学んだ藩医が持ち帰った製法を口伝で守り、来店したヨーロッパ人が「おばあちゃんの味」と賞したという。(森本雅司)
全駅名と社章あしらう

明知鉄道の切符は今では珍しくなった厚紙の硬券で、一枚一枚を出札窓口で販売している。途中駅の「極楽ゆき」、JR連絡切符「名古屋ゆき」などもある。
鉄印=写真=は、硬券と同じオレンジ色の地紋に、社名と全11の駅名を記す。社章を中央にあしらい、3本線の会社シンボルデザインが下部に引いてある。鉄印帳は当初分が売り切れ、明智駅と恵那駅で追加販売、記帳も扱っている。
食堂車は3種のほか、「じねんじょ」「戦国合戦料理」「おばあちゃんのお弁当」などが季節ごとに走る。通行手形を模した形の往復フリー切符で、日本大正村などの割引特典が付いている。問い合わせは同社(0573・54・4101)へ。
各地域の「鉄印帳を携えて」も読めます。