フォトギャラリーを運営する写真家 沢田ひろみさん 65

3年限定 心響く作品展

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 「pieni onni(ピエニ・オンニ)」は、フィンランド語で「小さな幸せ」を意味し、「座右の銘」でもある。その名を冠したフォトギャラリーを2020年7月、岐阜市清住町のビルの1階に開設した。約50平方メートルの空間で、写真を通して多くの仲間と感動を分かち合ってきた。

 公募展「山と風景」が今月5日で終了。すぐに11日に開幕する次の写真展の準備が始まる。

 「3年間限定で、全力を振り絞ってやろうと決めています。心に響く、ひたむきな作品を紹介していきたい」と、意欲を燃やす。

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 栃木県生まれ。学生時代は東京で暮らし、夫の仕事の関係で31年前に岐阜市に転居し、3人の子どもを育てた。

 写真との出会いは40歳代になってから。カメラ好きの友人に誘われ、「どうせなら」と30万円台の一眼レフを買い込んだ。「めちゃくちゃきれいに撮れる」と、写真にのめり込み、52歳から2年間、写真の専門学校で基礎から学び直した。その後は文化センターや岐阜市内に設けた教室で、写真の指導をする傍ら、写真家として主に人物をテーマとした撮影を続けてきた。

 ギャラリー開設は、「岐阜市には私がイメージするギャラリーがない」と感じたのがきっかけ。「公共施設を借りれば、期間中だれかが詰める必要があり、働いている人たちには難しい。写真クラブに所属していない人たちの作品や、東京などで活躍する写真家の個展を岐阜の人に見てもらいたい」との思いからだった。

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 開設2年弱で開いた写真展は計19回に及ぶ。自らの視点で選んだ写真家に自ら声をかけ、展示会を企画していく。

 昨年10月に開催した鉄道写真家中井精也さんの展示会は好評を博し、「やはりちゃんとしたギャラリーでやらないとだめだとわかった」と中井さんから感謝され、認められたようでうれしかった。著名な写真雑誌でもギャラリーが紹介された。

 収支は「トントン」。決して運営は楽ではない。「なぜそこまで、とよく言われる。やりたいと思ったらまず扉をたたくか、たたかないのかの違いではないかと思うんです」と振り返る。

 「今はだれもがカメラマン。世の中は写真であふれていますが、自分の好きなことをとことんやってみたら、自分の世界ができる。夢中になるものがある人を見ていると、本当に気持ちいいし、心も素直な感じを受けるんです」

 扉をたたいて踏み込んだ期限付きのギャラリー運営で、「小さな幸せ」をかみしめている。(宮崎亨)

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