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    登る 祈る 夜の男体山

    • 1日午前0時過ぎ、登拝門の開門とともに山頂へ向け、登り始める登拝者。1週間の夜間登拝の始まりだ(日光二荒山神社中宮祠で)=山田博文撮影
      1日午前0時過ぎ、登拝門の開門とともに山頂へ向け、登り始める登拝者。1週間の夜間登拝の始まりだ(日光二荒山神社中宮祠で)=山田博文撮影

     日光二荒山(ふたらさん)神社中宮祠(日光市)の境内に、修験者の吹き鳴らすホラ貝や読経が響き渡った。神社のご神体である男体山(標高2486メートル)を夜を徹して登る「男体山登拝講社大祭」が始まった7月31日の夜。境内の登拝門の前は、翌1日午前0時の開門を待つ登山者の熱気に包まれた。

     日光国立公園にある「日本百名山」の一座、男体山は、奈良時代の782年に勝道上人(735~817)が開山した。以来、「神仏習合」の聖地として崇拝されてきた。

    • 中禅寺湖に向け、打ち上げられる奉納花火。斜めに打ち上げられるのが特徴だ(7月31日夜、日光市の中禅寺湖畔で)
      中禅寺湖に向け、打ち上げられる奉納花火。斜めに打ち上げられるのが特徴だ(7月31日夜、日光市の中禅寺湖畔で)

     登拝祭は、修験者が夏の男体山の山道を駆け上がった荒行に由来する。山に登ることで神霊をより受け、心身共に健康になるとされている。約1200年以上前から続く日光二荒山神社中宮祠で最大の祭りだ。7日までの期間中だけは、夜間の登山が許される。奥日光の夏の風物詩である。

     初日は県内外の約600人が登山に挑んだ。日付が1日に変わる頃から降り出した雨の中、山頂の奥宮を目指した。あいにくの悪天候だったが、晴れていれば、山頂からの眺望は抜群だ。展望が360度開け、眼下の中禅寺湖、県境の山々、遠く富士山も望める。

    • 山頂の奥宮に奉還するご神像を背負う(7月31日午前)
      山頂の奥宮に奉還するご神像を背負う(7月31日午前)

     群馬県の名峰・赤城山との因縁も深い。中禅寺湖の所有を巡り、二つの秀峰の神々が争った場所が奥日光の「戦場ヶ原」、その時の血で赤く染まったのが「赤沼」など、地名に多くの伝説を残している。

     昨年の登山者は、近年の登山ブームを反映してか、例年より約5000人多い約3万2000人。

    • 天候に恵まれれば、山頂から絶景が楽しめる男体山(今年4月撮影)
      天候に恵まれれば、山頂から絶景が楽しめる男体山(今年4月撮影)

     鹿沼市の鈴木栄次さん(57)は1日に通算300回目となる登拝を達成した。「樹林帯の森林浴から岩場歩き、山頂の眺めなど、この山ほど一度に多く楽しめる山はない」と魅力を話す。

     登拝祭期間中は、日光二荒山神社が山頂のライブカメラを24時間稼働させ、普段は見られない様々な表情を提供する。

    ◇男体山 中禅寺湖畔の日光二荒山神社中宮祠などから登山できる。通常登り4時間、下り3時間で、登山期間は5月5日から10月25日まで。7月31日から8月7日まで「登拝講社大祭」が行われ、夜間登山が許されるほか、中禅寺湖畔などで様々な行事が催される。問い合わせは同神社中宮祠(0288・55・0017)へ。

    2013年08月02日 00時25分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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