野鳥分布調べ自然守る 日本野鳥の会群馬  浅川千佳夫代表 力を入れている活動とは

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野鳥を通じて自然保護に取り組む日本野鳥の会群馬・浅川代表(高崎市で)
野鳥を通じて自然保護に取り組む日本野鳥の会群馬・浅川代表(高崎市で)

 バードウォッチングなどの活動で知られる日本野鳥の会は、日本を代表する自然保護団体だ。その支部にあたる「日本野鳥の会群馬」は今年、創立60周年を迎えたが、具体的な活動は広く知られていないのが現状だ。団体の実績と今後の展望について、浅川千佳夫代表(71)に聞いた。

 ――日本野鳥の会群馬は何を目的に設立されたのか。

 「設立は1962年。もともとは県支部という名でやっていたが、本部の公益財団法人化に伴い2010年に現名称になった。野鳥を通じて自然に親しむことで、生活に潤いを持たせ、自然保護の意識を高めることが目的だ」

 「野鳥は、自然にいる動物の中で一番『とっつきやすい』と思う。会では、〈1〉楽しむ〈2〉調べる〈3〉守る――という順番を大切にしている。まずは双眼鏡を持って集まり、鳥を見て楽しむ。すると、鳥の生態や名前の由来など広い分野に関心が向き、自ら調べることにつながる。最終的には、周辺環境にも目が行くようになり、野鳥を通じて自然を考えるようになっていく」

 ――会員はどのような人が集まり、どんな活動をしているのか。

 「会員は現在約460人。ほとんどが一般人。いわゆる愛好家と呼ばれる人たちだが、初めは誰も素人だった。入会してから知識を共有し、観察のノウハウなどを深めている」

 「主な活動には『探鳥会』がある。非会員も参加して、鳥を見ながら沼の周辺や公園、森の中などを2~3時間歩く。これを年間100回くらい開催している。きれいな鳥や美しい鳴き声に魅了され、趣味として続けるきっかけになる人が多い」

 ――県内で確認された鳥類をまとめ、解説を加えた「群馬県鳥類目録」を発行するなど、詳細なデータの蓄積にも力を入れているが。

 「県からの受託事業の中で、県内全域の野鳥分布を調査している。受託調査は70年代から始め、80年代から、さらに詳細な調査法を採用している。会員1人が4キロ四方の範囲を1単位として担当し、観察された鳥の種類や数などを記録。5年かけて、計219単位を調べ尽くし、県内にいる種類や分布、密度までを記録している。貴重なデータで、開発事業の環境アセスメント(影響評価)などの資料としても使われている」

 ――今後の課題や展望は。

 「会員数が減少している。80年代は、NHK紅白歌合戦で客席審査のカウントを担当するなど露出が多かったこともあって1200人ほどいた。現在は団塊の世代も退きつつあり、更なる縮小が危惧される。若者のほか、年配の人にも存在を知ってもらいたい。そのためにも、ホームページの刷新を計画している」

 「約50年にわたるデータ蓄積がある一方、人手不足の関係で、なぜこの種が減ったのか、逆に増えたのかという分析になかなか手が回っていない。県をはじめ、市町村や研究機関などとデータ分析や施策の議論の場があればいいなと思う。現在、県鳥類目録の改訂版をホームページ上で公開している。自然環境保護に役立ててもらうためにも、我々が集めてきたデータを共有して、多くの場所で生かしてもらいたい」

(聞き手・原新)

 【日本野鳥の会】 歌人、詩人の中西悟堂が1934年に創立した国内最大規模の自然保護団体。野鳥の保護と調査研究、自然環境保護を目的とする。会員制の公益財団法人で、全国各地には連携する86団体(支部)があり、それぞれの地域で野鳥観察会や自然保護活動を行っている。

 【あさかわ・ちかお】 1950年2月生まれ、高崎市出身。岩手大農学部卒業後、日本野鳥の会群馬県支部(当時)に入会。環境の化学分析を専門とする職に就きながら、ボランティア活動として長年にわたり野鳥の地域分布調査を続けてきた。2006~10年に同支部長、日本野鳥の会群馬の代表は10~11年に務め、17年に再び就任した。

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