近現代アジア木版画400点 アーツ前橋で企画展

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反戦、反権力「エネルギー感じて」

韓国の民主化に影響を与えたという木版画の「五月―25 大同世―1」(1984年)
韓国の民主化に影響を与えたという木版画の「五月―25 大同世―1」(1984年)

 アジア各地の政治、社会運動の中で制作された木版画を紹介する企画展「闇に刻む光 アジアの木版画運動1930s―2010s」(読売新聞社など主催)が2日から、前橋市千代田町の「アーツ前橋」で始まる。会場ではアジア各国の画家が1930年代以降に制作したメッセージ性の強い約400点が並んでいる。

 近現代アジアにおける木版画は文学者・魯迅ろじん(1881~1936年)が推進した。特殊な道具を必要とせず、安価で大量の複製を作れる特性から、反戦や反権力を訴える“メディア”として利用されてきた。企画展では、この木版画が果たしてきた役割に光を当てた。

 目玉作品は韓国人画家のホン・ソンダムの「五月―25 大同世―1」(1984年)。当時韓国では全斗煥チョンドゥファン大統領が軍事独裁政権を敷き、政権に対抗する民主化運動が起きていた。武器を手にとって蜂起する民衆を力強い彫りで描き、報道規制で伝えられなかった実情を木版画で表現した。

 所蔵する福岡アジア美術館の学芸員の趙純恵チョウスネさん(32)は「銃を持つ男性に女性がのり巻きを渡しており、協力しようという民衆の思いが伝わる。黒と白だけの荒々しい輪郭で力強さが感じられる」と解説する。

 また、足尾銅山鉱毒事件を題材にした栃木県出身の版画家・小口一郎の「野に叫ぶ人々」シリーズは、公害に苦しむ農民が警察官に抗議する姿を描き、民衆の怒りを独特のタッチで伝えている。

 アーツ前橋の住友文彦館長(47)は「木版画は、社会に疑問を投げかけようとする現代の芸術運動につながっている。画家が訴えかけるエネルギーや魂を感じてほしい」と話している。

 3月24日まで(水曜休館)。午前11時~午後7時(入場は6時半まで)。一般500円、学生・65歳以上300円、高校生以下は無料。問い合わせはアーツ前橋(027・230・1144)へ。

418998 0 ニュース 2019/02/02 05:00:00 2019/02/02 05:00:00 2019/02/02 05:00:00 韓国の民主化に影響したという木版画の「五月―25 大同世―1」(1984年)(前橋市千代田町の「アーツ前橋」で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190201-OYTNI50072-T.jpg?type=thumbnail

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