前橋城の石垣が出土 中心街の工事現場
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前橋市は15日、中心市街地で見つかった江戸時代前半の前橋城大手門の石垣を一般公開した。4代将軍家綱の時代、大老として権勢を振るった酒井忠清が、前橋藩主を務めていた17世紀に建造したものとみられる。市文化財保護課は「これほど立派なものが残っていたのが奇跡。後世に伝わるように保存する」と話している。
同課によると、石垣は先月末からの工事で地下約1・5メートルから出土。石材は幅約1メートル、高さ約80センチで、2段に重なっている。場所は、中心市街地の本町で、出土により、絵図でしか知られていなかった門の正確な場所が判明した。
また、江戸城(東京都)や駿府城(静岡県)でも見られ、石の高さをそろえ、接合面がぴたりと合うように加工する「
同時代の遺構には、市指定史跡で、同市大手町の城内に位置する前橋城車橋門跡がある。大手門は城の正面玄関にあたり、多くの人が目にするため、車橋門より見栄えがするように仕上がっているという。
忠清が建築した前橋城は、度重なる利根川の氾濫で、本丸西側の土地が浸食された。そのため18世紀後半、藩主が松平氏に替わった際に取り壊された。石垣周辺からは、その際に廃棄されたとみられる瓦や木片も見つかった。
17日まで調査を行った後は埋め戻し、駐車場が造られる予定。市は公開を目指して、土地の所有者と交渉するという。