奥深い魅力 伝えたい

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

「将棋の奥深さを知ってほしい」と語る枡本さん(広島市安佐南区で)
「将棋の奥深さを知ってほしい」と語る枡本さん(広島市安佐南区で)

 ◇自宅で教室を開き「将棋マン」として普及活動する 枡本秀男さん 40

 「私は遠い星からやってきた将棋マンだ。王手ビームからの、両王手フラッシュ」。将棋のイベント会場に突如、黄色の駒のかぶり物で現れる。両腕を回転させて決めポーズを取る将棋のヒーローの登場に、子供たちは、まねをしたり拍手を送ったりして喜ぶ。

 まず、将棋に興味を持ってもらうこと。そして、教育的観点からの普及を目指す。将棋は集中力、決断力、忍耐力などの多くの力が身につき、人間を形成する上で、とても重要だと考えるからだ。

 最年少棋士の藤井聡太六段(15)の活躍や、将棋を題材にした漫画「3月のライオン」の映画化などで将棋人気が高まりを見せる中、「一過性のブームに終わらせない。将棋に教育を結びつける新しい切り口で、将棋の楽しさを広めたい」と意気込む。

        □■

 小1の時、父親に教わって覚えた。毎晩相手をしてもらったが、何度挑戦しても勝てず、悔しかった。社会人になり、職場の先輩に誘われて昼の休憩時間に再びするようになった。強くなりたくて攻略本を読みあさり、独学で技を習得した。少しずつ敵が減り、勝つ喜びを知った。

 将棋は、交互に一手ずつ指さなければならない。先を読む、狙い通りに進める、我慢する。ごまかすことができないし、運や偶然もない。指し手の可能性を考え出すと、いくら時間があっても足りない。その全てが面白く、次第に「好きな将棋を仕事にしたい。将棋の魅力をもっと知りたいし、それを人に伝えたい」と思うようになった。

 日本将棋連盟が認定する将棋指導員の資格を取り、20年間勤めた会社を退社。従来の将棋教室とは異なる形をと、2016年7月、エデュケーション(教育)と将棋を合わせた造語の「エデュ将棋教室」を広島市内に開設した。

        □■

 教室には現在、就学前から小学生までの約60人が通う。将棋のドリルや詰将棋、対局を通して、子供たちは礼儀作法を守り、背筋を伸ばし、大局観を養う。局面が悪くなれば耐え忍び、それを打開する創造性を身につけることを学ぶ。

 「負けました」と自ら投了の意思を示すのも将棋ならでは。「自分の弱さを認めるのには勇気がいる。涙をこらえながら言う子もいる。だからこそ、相手の強さとの差を埋めようと努力する」

 昨年は、起業や街づくりなど新たな取り組みへの挑戦を支援する県の事業「Hiroshima Creative Cafe」に参加した。そこでの交流から、県産木材の活用法を模索していた人と手を組み、広島カープの選手を駒に見立てて対局する「カープ将棋」の構想が生まれた。教室に通うカープファンの子供の案で、守りに強い丸佳浩選手は「金」、機動力のある菊池涼介選手は「桂馬」などと、駒の特性に選手のイメージを重ねた。

 駒の動きをアニメキャラクターが再現する「VR(仮想現実)将棋」もできそうだ。どちらも商品化にはまだ時間がかかるが、これまでの将棋の「時間が長くて難しそう」「高齢者の娯楽」というイメージを払拭ふっしょくし、将棋人口を増やしたい。「誰も思いつかないような発想で、今後も将棋の奥深さを追求し続けたい」(渡辺彩香)

        ◇

 <ますもと・ひでお> 広島市安佐南区生まれ。大手機械メーカーを2016年に退社し、将棋指導の道へ。通称は「将棋マン」。自宅を兼ねた同区の「エデュ将棋教室」は週1回のレッスンで、会費は月4500円。1回60分の無料体験もある。学校での出張授業やイベント会場の講師も行う。将棋アマ五段。

無断転載禁止
17801 0 人あり 2018/04/23 05:00:00 2018/04/23 05:00:00 「将棋の奥深さを知ってほしい」と話す枡本さん(広島市安佐南区で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180423-OYTAI50000-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

アクセスランキング

一緒に読もう新聞コンクール

新着クーポン

NEW
参考画像
800円650円
NEW
参考画像
ご宿泊のお客様にコーヒー1杯サービス
NEW
参考画像
2000円1800円
NEW
参考画像
1100円550円
NEW
参考画像
790円720円

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
The Japan News
発言小町
OTEKOMACHI
ささっとー
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
YOMIURI BRAND STUDIO
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
挑むKANSAI
読売新聞社からのお知らせ