店主の思い 香り立つ内装

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白木のカウンターの奥でコーヒーを入れるオーナーの平橋さん(福山市で)
白木のカウンターの奥でコーヒーを入れるオーナーの平橋さん(福山市で)
リトルウイング珈琲の店内
リトルウイング珈琲の店内

 ◇リトルウイング珈琲(福山市)

 自家焙煎ばいせんコーヒー店「リトルウイング珈琲コーヒー」(福山市)のオーナー平橋紀和さん(47)と初めて会ったのは昨年11月。「オープンして17年になるが、店の魅力の伝え方を迷っている」「店と商品を魅力的に見せる店内レイアウトが知りたい」という相談だった。その前月に、フクビズでサービスを開始した「お店に出張! 売上アップ大作戦」のことを知り、連絡をくれた。

 お店に赴く前にまずフクビズに来てもらい、状況をうかがって我々が事業全般への理解を深めてから、出張するというシステムだ。

 平橋さんは、大手靴販売チェーン店で接客の楽しさに目覚めた。無類のコーヒー好きだったこともあり、故郷に戻って念願のコーヒー店をオープンさせたという。

 接客にこだわりたいので、通販は行わない。主な客層は30~50歳代で、固定客が多い。立地はJR松永駅近くの小さなショッピングモールの一角とのことだった。

 コーヒー豆の販売がメインだが、10席ほどのカフェも併設。売り上げの底上げのため、チョコレートやクッキーなども販売しているという話も聞いた。店名は、往年のアメリカの伝説的ギタリストの名曲から取ったという。見せてもらった写真からもイメージを膨らませ、訪問に備えた。

 12月に入ってすぐ、店を訪ねた。正面の入り口の外装(ファサード)や周辺を見渡すと、外観には目を引くようなフレーズやアイキャッチになるものが見当たらず、10メートルも離れるとコーヒー店とは分かりにくかった。入り口周辺はモノが雑然と置かれている印象で、店内もレジ付近はコーヒー以外の商品が目に付き、一言で表すと「何をやりたいのかが分かりづらい」感じだった。

 コーヒーは文句なしにおいしい。様々な商品に隠れて見えなかったが、実はカウンターは、長さ約3メートルはあろうかという白木の一枚板だった。

 「これを生かさないと!」と思った。店内の落ち着いたトーンの色彩や、ターゲットが近隣に住む大人の男女ということで、頭に浮かんできたのがロンドン郊外のこぢんまりとしたパブだ。

 紳士がマホガニーのカウンターで、コーヒーの深い味わいに舌鼓を打ちながら好きな本を読む。ランチ時には、勤め人や老夫婦の会話が、煎りたてコーヒーの香りとともに店内に満ちている。

 「そんな光景がリトルウイングの店内にも広がってほしい」。平橋さんの思いとの共通点を見いだしながらのアドバイスがスタートした。

 カウンターテーブルを際立たせるよう、店内外のレイアウトや商品ディスプレーを変更し、ファサードガラスにはロゴを掲げた。ランチメニューの充実や植栽の見直し、1人掛けの革張りソファを入り口正面に配置するなど、我々と平橋さんが思い描くイメージが少しずつ形になり、今も魅力的に進化を続けている。

 客からの評判もよく、売り上げは前年比で2桁の伸長が続いている。質の高い商品とオーナーの思いを掛け算することでコンセプトが明確になり、方向性が見えた例と言えるのではないだろうか。

(プロジェクトマネジャー・池内精彦)

     ◎

 「フクビズのススメ」は、中小企業の経営者や起業家らから相談を受け、新商品づくりなどを支援する「福山ビジネスサポートセンターFuku―Biz(フクビズ)」の支援について紹介する連載です。フクビズの高村亨センター長と、池内精彦プロジェクトマネジャーが、売り上げ向上につながった実例などを披露します。

 ◇メモ コーヒー豆の販売は、スペシャリティーコーヒー(100グラム)が「グロリアス農園・コロンビア」「サンセバスチャン農園・グアテマラ」などを650円から。フェアトレードコーヒー(100グラム)は「東ティモール」が650円から。ブレンドコーヒーも扱っている。

 喫茶メニューは、ブレンドコーヒー(400円)、スペシャルコーヒー(500円)、フレーバラテ(550円)など。本日のケーキセット(780円)、手作りジャムのトーストセット(700円)、バニラのせトーストセット(780円)もある。

 コーヒー教室などを不定期で開いており、ホームページやブログで情報を発信している。西日本豪雨では、断水した地域の住民らに備蓄していた新品ペットボトル(1.5リットル)を無料配布するなどの支援を行った。

 月曜定休。午前9時30分~午後7時(日曜、祝日は午後6時まで)。問い合わせはリトルウイング珈琲(084・930・4038)。

36213 0 フクビズのススメ 2018/08/09 05:00:00 2018/08/09 05:00:00 白木のテーブルの前でコーヒーを入れるオーナーの平橋さん(福山市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180809-OYTAI50002-T.jpg?type=thumbnail

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