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<中>自公共闘 思惑絡み合う

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 「ぎくしゃくした時期もあったが、選挙戦を通じて信頼関係を再構築できた」。参院広島選挙区の再選挙が投開票された25日夜、自民党新人の西田英範氏(39)の敗戦が伝えられた後、公明党のある県議は悔しさをにじませつつも、少しほっとした表情を見せた。喫緊の課題だった自民との関係修復に、一定の道筋がついたからだ。

■くすぶる不満

 自民県連には、公明への不満がくすぶり続けていた。原因は、今秋までに行われる次期衆院選に向けた広島3区での候補者選びだ。2017年の選挙では、大規模買収事件で公職選挙法違反(買収など)に問われている河井克行・元法相(議員辞職)が当選。自民県連は、公募で選んだ石橋林太郎県議を次期衆院選の候補に推していた。

 ところが、公明は「事件で支持者に『自民を応援できない』との抵抗感が強い」と、3区に斉藤鉄夫副代表を擁立。2月上旬、自公の本部主導で、自民が斉藤氏を推薦する方針を事実上決定した。石橋氏は比例選に回ることを余儀なくされた。

■背に腹代えられず

 河井案里氏(自民を離党)の当選無効で再選挙の実施が決まった当初、自民県連幹部は「これは自民の戦いだ。公明の力は必要ない」。公明が再選挙で西田氏支援を公言しても、「貸しをつくるのに絶好の機会と思っているんだろう。本音はそこ」と冷ややかだった。再選挙で公明の手を借りれば、いずれ来る衆院選で斉藤氏を応援せざるを得ない流れになるからだ。

 しかし、告示前に接戦の情勢が伝わると、背に腹は代えられず、公明の「固定票」に期待する空気が広がった。県連会長に就任した岸田文雄・前政調会長は4月上旬、公明県本部の幹部を表敬訪問するなど、融和ムードの演出に心を砕いた。

■総力戦を展開

 公明は、山口代表が来県して応援演説。県内の地方議員55人には、企業回り1人200社のノルマを設定した。選挙戦後半には中国5県の議員約160人を集め、西田氏の名前を売り込むように指示。支持母体の創価学会でも西田氏の演説を録画したDVDを回覧するなどし、学会員以外にも投票を呼びかけた。

 公明としても、斉藤氏が独力で3区を戦い抜くのは厳しいと踏んでいた。「西田氏が落ちれば、斉藤氏を助けてほしいとは言えなくなる」と公明県議。支持者に事件への反発が強く残る中、「最大限の票を出すには多少の無理は避けられなかった」(公明関係者)という総力戦を展開した。

■勝ちきれず課題も

 読売新聞の出口調査では、公明支持層の8割が西田氏に投票した。25日夜、西田氏の結果報告会でマイクを握った岸田氏は公明に対し、「大変な力添えをいただいた」。中本隆志・県議会議長も翌26日に「自分のことのようにやってもらった」と感謝を口にした。

 互いの思惑を絡ませ合いながらも、公明は一定の結果を出してみせた。ただ、勝ちきるまでには至らなかったのも事実だ。ある関係者は「衆院選でも自公支持者のつなぎ留めが鍵になる。『政治とカネ』の問題への抵抗感を拭い去ることが次の課題だ」と先を見据えた。

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2018957 0 「王国」の崩壊 2021/04/29 05:00:00 2021/04/29 05:00:00 2021/04/29 05:00:00

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