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広島、長崎の原爆投下から77年になるのを前に、読売新聞社が広島大学平和センターと共同で実施した被爆者アンケートで、ロシアによるウクライナ侵略後、世界で核兵器が使用される可能性について、8割強が「高まった」と感じていることがわかった。核兵器廃絶の可能性についても悲観的な意見が半数近くを占めた。ロシアの侵略が被爆者に不安や失望を広げている。

全国の被爆者100人に4~7月、本紙記者が対面と電話で聞き取った。


ロシアによる侵略を踏まえた質問では、核兵器使用の可能性について84人が「高まった」と回答。プーチン大統領が核兵器の使用を示唆したことに対し、44人が「許しがたい」と答え、「無力感を覚えた」(19人)、「被爆の実相を伝えようと決意を新たにした」(17人)が続いた。
核廃絶の可能性については計46人が「低い」「ない」と答え、昨年の計37人より増加。「実現する」は53人で、昨年の62人より減った。
広島市で被爆した女性(93)(広島県三原市)は「ロシアの侵略で、悲劇が再び繰り返されるのではと恐怖が強まっている。被爆者の声が世界に届いていない」と嘆く。
一方、今年6月に初の締約国会議が開かれた核兵器禁止条約については、8割超が「評価する」と答え、期待する状況が浮かんだ。
若者の意識を調べるため、全国8大学の1年生約1200人を対象にインターネット調査も実施した。
将来的に核兵器が「使われる」「使われる可能性が高い」と考えている学生は計約75%に上った。核廃絶の可能性について「ない」「低い」との回答は計約70%で、「被爆者が生きている間に実現する」と答えたのは4%にとどまった。