尾道滞在 文豪気分で創作

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尾道水道を望む客室でイラストや文章を創作する滞在者(尾道市で)
尾道水道を望む客室でイラストや文章を創作する滞在者(尾道市で)

 ◇「空き家再生」旧旅館 意欲や着想刺激

 尾道水道(尾道市)を望むゲストハウス「みはらし亭」で、滞在者が小説やエッセーなどを執筆する企画「ライターズ・イン・レジデンス」が行われている。主催するNPO法人・尾道空き家再生プロジェクトは、作家の志賀直哉らが創作に励んだ環境を「現代の物書きたち」に体験してもらい、「再び名作を生み出してほしい」と期待する。(藤岡博之)

 ◇志賀直哉の旧居近く

 客室のこたつに入り、タブレット端末でイラストを描いていた福山市のイラストレーター細井美香さん(34)はふと顔を上げ、ガラス窓の向こうに目をやった。「海の眺めが目に優しい。文豪の仕事を体感できたかな」とつぶやいた。

 ライターズ・イン・レジデンスは、1週間単位で参加費1~2万円。個室に滞在し、創作活動をする。昨年始まり、今回は今月15日~2月7日に開催。福山市、広島市、岡山県倉敷市や東京、京都などから、フリーランスの編集者やライター、イラストレーター、漫画家ら20~50歳代の11人が申し込んだという。

 みはらし亭は尾道市中心部の斜面地に立ち、2016年に開業。空き家再生プロジェクトが、千光寺の下にある築約100年の旧旅館を改修した。木造2階建てで、3~8畳の個室4室、カフェスペースなどを備える。

 細井さんは共用スペースで他の滞在者と一緒に制作したり、会話したりする機会を得た。「普段は出会わない異分野の人と話すうち、作品に対するインスピレーションが湧くことがあった」と感謝していた。

 近くには、志賀直哉が1912年から約1年間、拠点とした旧居が残る。滞在中に短編小説「清兵衛と瓢箪ひょうたん」を読売新聞に発表したり、小説「暗夜行路」の草稿を書いたりした。歌人中村憲吉が晩年を過ごした旧居もある。

 広島市西区、編集者兼ライター神垣あゆみさん(53)は「朝焼けの尾道水道に感動し、遠くに聞こえる電車の音に創作意欲が湧く。本業のビジネス記事の執筆もはかどり、持ち込んだ仕事が一気に片付いた」と満足していた。

 空き家再生プロジェクトの豊田雅子・代表理事(44)は「尾道が持つ何かを感じ取り、良さを発信してほしい。将来、世に出る人が現れるかもしれない」と話し、滞在者を応援している。

 カフェスペースで毎週土曜、滞在者との交流会を開いており、次回は2月2日午後5~7時。予約不要で、ドリンク1杯の注文が必要。問い合わせは再生プロジェクト(080・6323・9921)。

401754 0 ニュース 2019/01/28 05:00:00 2019/01/28 14:26:24 2019/01/28 14:26:24 こたつに入り、尾道水道をながめながら、イラストや文章を創作する滞在者(尾道市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20190127-OYTNI50017-T.jpg?type=thumbnail

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