要介護者ら向け 着脱簡単シャツ

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福山・縫製メーカー「マルカ」

 介護が必要な人や体の不自由な人にも、気軽におしゃれを楽しんでほしい――。そんな思いを込めて、縫製メーカー「マルカ」(福山市新市町)がユニバーサルデザインの衣料ブランド「ONESELF(ワンセルフ)」をつくった。第1弾として、ボタン部分に面ファスナーを使い、脱ぎ着しやすくしたボタンダウンタイプのシャツを発売。インターネット通販大手・アマゾンで取り扱っている。(田岡寛久)

 ブランド第1弾 ボタン→面ファスナー

ボタン部分に面ファスナーを使ったシャツ。第3ボタン部分は色を変えている(福山市で)
ボタン部分に面ファスナーを使ったシャツ。第3ボタン部分は色を変えている(福山市で)

 ブランドの設立は、社長の後藤賢二さん(48)が、一緒に府中青年会議所(府中市)で活動していた府中市の金属加工会社社長、後藤展幸さん(51)から、「一人で簡単に着られるワイシャツを作ってほしい」と頼まれたのがきっかけだった。

 展幸さんは40歳の時、脳出血で倒れ、右半身のまひや言語障害が残った。ボタンをとめる動作が左手だけだとうまくできず、長時間を必要とした。脱ぐ時も同じで、ボタンを外し、袖から腕を抜くことすら煩わしくなったという。

 約4か月入院したという展幸さんは、「ネット上で『介護』『シャツ』などと検索しても、欲しいものは探せなかった」と振り返る。

 相談を受けた賢二さんは「体が不自由な人が一人で服を着るということは気持ちが前向きになり、生活に安心が加わることになる」と気づかされ、ユニバーサルデザインの衣料品開発を決意したという。

 県の医工連携プロジェクト事業の支援を受けたり、県作業療法士会からアドバイスをもらったりしながら開発。見た目は普通のカジュアルシャツで、ボタン部分を面ファスナーにして、接着面を間違えないよう第3ボタン部分の色を変える工夫を取り入れた。

 ほかにも、腕を通しやすいよう袖口のボタン部分をゆったりとさせ、使い勝手がいいように胸ポケットを左右両方に付けた。

 「ワンセルフ」という名前には、「一人で着られる(byoneself)」、「自分らしくいられる(beoneself)」存在として、ブランド価値を高めていきたいとの願いが込められている。

 開発を支援した福山市の福山ビジネスサポートセンター「Fuku―Biz(フクビズ)」で、記者発表した賢二さんは「冠婚葬祭用のワイシャツや、備後特産のデニムを使った商品なども手がけられれば」と次の展開を思い描く。展幸さんも「健常者と同じように服を選び、容易に着こなすことができるアイテムができることは希望になる」と語った。

 厚生労働省の調査によると、2014年の脳血管疾患の総患者数は約118万人という。うち就労世代(20~60歳代)は約17万人で、介護が必要な人は3割に上るとされている。

 一方、要介護者向けのカジュアル衣料は注文や採寸が必要だったり、既製品でも高額だったりするという。マルカでは今後、医療や介護関係の学会などにも参加し、ブランドの浸透を図りたいとしている。

 シャツは綿100%。無地(オフホワイト、サックスブルー)とチェック柄(ブラック、ブルー)があり、サイズはM、L、LL。税抜き8900円。マルカのホームページを通じて通販サイトで購入できる。問い合わせはマルカ(0847・52・3355)。

455854 1 ニュース 2019/02/22 05:00:00 2019/02/22 05:00:00 2019/02/22 05:00:00 ワンセルフのシャツを着こなす展幸さん。第3ボタン部分のテープは水色になっている。(福山市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190221-OYTNI50066-T.jpg?type=thumbnail

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