昨年 宮島来訪 半減
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世界遺産の厳島神社がある宮島(廿日市市)に昨年1年間で訪れた人数は約220万人で、過去最多だった2019年より半減したことが廿日市市への取材でわかった。53%の下落率も過去最大で、新型コロナウイルスの感染拡大で観光客が激減した影響が浮き彫りとなった。(林佳代子)
市によると、宮島への来島者は近年、外国人旅行者の人気を集めて増加傾向にあり、19年には記録の残る1964年以降最多の約465万人が訪れた。
新型コロナの影響が本格化したのは昨年4月。東京など7都府県に発令された緊急事態宣言は全国に拡大され、宮島への観光客も激減した。
その後、7月に始まった政府の観光支援策「Go To トラベル」事業の効果で客足は徐々に戻り、4、5月に前年の1割まで落ち込んでいた来島者数は、11月には8割近くまで回復。
年末年始の帰省客や厳島神社の初詣客も期待されたが、新型コロナの感染が12月中旬以降に急拡大すると、来島者は再び減少に転じ、県警の集計によると、年末年始(12月31日~1月3日)の厳島神社の参拝客数は、前年比9万7000人減の約3万3000人だった。
「Go To」事業は2月7日まで停止中で、2回目の緊急事態宣言が発令された4都県を含む都市部からのツアー客が見込めない状況が続く。
宮島観光協会の上野隆一郎専務理事は「宮島の観光事業者は限界に近いが、大々的にPRすることもできない。一刻も早く終息してくれることを願っている」と話している。
参拝客 6割減

年末年始の県内の主要な寺社の参拝客は前年より約6割減少したことが、県警のまとめでわかった。新型コロナウイルスの感染拡大で初詣を控える人が多かったほか、三が日を避ける「分散参拝」が呼びかけられた影響とみられる。
県警は、12月31日~1月3日の4日間に県内41か所の寺社を参拝した人出を毎年集計。コロナ禍の今回は、前年の約234万人から大幅減の約91万人だった。
三が日には例年約60万人が訪れる広島市中区の広島護国神社は、昨年12月13日から参拝できる「
最も参拝客が多かったのはいずれも福山市の草戸稲荷神社と福山八幡宮の約15万人。前年からそれぞれ21万人減と5万人減だった。