中央公園 にぎわい創出
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福山市、6社 カフェレストラン 今春開業
福山市霞町の市中央公園に今春、市内の企業6社でつくる共同事業体がカフェレストランをオープンさせる。市が、公園の整備や管理に民間資金を活用する国の制度を初めて導入した。屋根付きの休憩場所やベンチなども事業体が園内に整備し、民間の発想を生かした公園のにぎわい創出が期待されている。(松本慎平、浅田真理)

国の制度は2017年に始まり、国土交通省によると、民間の事業者が芝生の整備など公園本来の機能を充実させ、レストランなどの施設運営を計画することが導入の条件。事業者は市が公募し、まちづくりを考える企業「leuk(ルーク)」を中心に、ガス、生地製造、電気工事など異業種6社の共同事業体に決まった。
計画では、芝生広場に木造平屋約145平方メートルのカフェレストランを建設。費用は約4900万円で、4月のオープンを予定している。休憩場所(あずま屋)やベンチの設置、園路舗装、植栽も約1100万円かけて行い、市が720万円を上限に買い取る。
米ニューヨークの公園も視察したという、ルーク代表の古賀大輔さん(46)は「市の価値を上げる活動に取り組むことは、新しいビジネスチャンスにもつながる」と話す。公園に隣接する図書館と連携した催しや企画も検討しており、「利用したい公園になれば、公園の周りに家が建ったり、商売が始まったりする。地域全体の活性化につなげたい」と意気込む。
市が定める公園の土地使用料は1平方メートルあたり年間3036円で、今回のカフェレストランの場合は年間81万円となる。市は「新しい公園の使い方によって子どもたちから高齢者まで笑顔あふれる公園になることを期待している」とする。
図書館を訪れていた、広島大付属福山中2年の松岡真一朗君(14)は「小学校のころ仲間と集まっていた広場が狭くなるのは少し残念だが、気軽に行けるお店ができるのはうれしい」と話していた。