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フタバ図書再生 険しい道

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経営再建を目指すフタバ図書の新会社(広島市西区で)
経営再建を目指すフタバ図書の新会社(広島市西区で)

収益改善や風土改革 課題

 県内を中心に展開する老舗書店チェーン「フタバ図書」(広島市)は3月、同名の新会社に事業を譲渡し、再出発した。日本出版販売(日販)や蔦屋書店など出資元となった大手が新会社の経営を主導するが、収益改善や企業風土の改革など課題も多く、再生に向けた道筋は険しい。(寺田航)

日販や蔦屋書店など 経営主導

     ■6社が出資

 「独自性を維持しながら、新しいビジネスモデルを構築する」

 新会社への事業承継を発表した1月のオンライン記者会見で、筆頭株主となるファンドを運営する「ひろしまイノベーション推進機構」の熊谷賢一社長が意気込んだ。

 新会社には、このファンドや、もみじ銀行、広島マツダなど計6社が約9億円を出資。従業員や店舗の大部分は引き継ぐものの、経営から創業家は退く。

 今後は、書籍販売、レンタル店26店舗を「TSUTAYA」のフランチャイズ店舗に切り替えることで、品ぞろえを強化。蔦屋書店が持つ「Tポイント」の導入に加え、物流網やノウハウなども活用して、経営の立て直しを進める。

     ■粉飾決算

 フタバは1913年創業。書籍だけでなく、DVDやゲームなども取り扱う複合書店を中国、関東地方などで約40店舗展開する。出版業界の“タブー”とされていた新刊本と中古本の併売も行う革新的な姿勢で知られ、東京商工リサーチによると、ピーク時の2010年3月期の売上高は約400億円に達した。

 事業規模の拡大を狙い、高級時計の買い取り店や居酒屋など本業の書籍販売と関連の薄い事業に参入したが、不採算店舗を多く抱えることになり、経営は急速に悪化。旧会社の代理人弁護士は「約10年間にわたり、不適切な内容の決算書を作成し、金融機関に提出していた」と説明する。

 関係者によると、粉飾を主導していたのは、創業家出身の経営陣だった。ある幹部は「社員のほとんどは粉飾を知らず、ショックだった」としつつ、「収益の見通しが甘くても創業家の判断は絶対的で、誰も異論を挟めなかった」と話す。

     ■出版不況

 多角経営で失敗した経験を踏まえ、新会社は中国地方に軸足を置き、書店事業を強化する方針だ。ただ、ネット販売の台頭などを要因とする「出版不況」が、先行きに影を落とす。

 出版科学研究所などによると、19年の紙の出版物(書籍・雑誌合計)の販売額は前年比4・3%減の1兆2360億円で、15年連続で減少。市場規模はピークだった1996年からほぼ半減している。

 日販は2020年9月中間決算で、本業のもうけを示す営業利益が赤字。県内でも、老舗書店チェーンを運営する「広文館」(広島市)が経営不振で新会社に事業を承継し、再建を進めている。業界全体が苦境にあえいでいる。

 課題が山積する中、新生フタバは、独自の成長路線を描けるか。全国の書店ビジネスの今後を占う試金石となるかもしれない。

本以外の付加価値カギ 横山社長

立て直しの方策を語る横山社長
立て直しの方策を語る横山社長

 日販出身で、新会社を率いる横山淳社長に、再建に向けた考えを聞いた。

 ――経営不振や粉飾決算の原因は。

 「旧会社は、社長だけで決めてしまい、現場と経営層が分離していた。今後は風通しが良く、透明性の高い企業風土につくりかえ、ボトムアップを重視する組織にしていきたい」

 ――収益をどう改善させるか。

 「ほとんどの不採算店舗は閉店しているが、スリム化に向けた検討は続ける。自前主義から脱し、TSUTAYAのノウハウを活用しつつ、広島マツダやエディオンなど地元企業とも協力関係を強めたい」

 ――出版不況にどう立ち向かうか。

 「書店が生き残るには、本を買う以外の付加価値をどうつけていくかがカギだ。フタバ図書は、本以外の商品を組み合わせた複合書店として地元に根ざしており、それが強みでもある。フタバらしい要素は残しつつ、女性客など新たな客層の開拓も進めたい」

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1959487 0 ニュース 2021/04/04 05:00:00 2021/04/04 05:00:00 2021/04/04 05:00:00 経営再建を目指すフタバ図書の新会社(広島市西区で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/04/20210403-OYTNI50050-T.jpg?type=thumbnail

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