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<豪雨3年>あなたは私たちの誇り

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2警官の功績 石碑に

 「あなたを決して忘れない」――。県内で150人もの犠牲者(災害関連死を含む)が出た2018年7月の西日本豪雨から、6日で3年を迎えた。県内各地で追悼式などが営まれ、命を奪われたそれぞれの大切な「あの人」に思いをはせ、 冥福めいふく を祈るとともに、改めて災害の教訓を後世に受け継ぐことを誓った。

完成した石碑の前で手を合わせる美智子さん夫妻(広島市安芸区で)
完成した石碑の前で手を合わせる美智子さん夫妻(広島市安芸区で)
集まった同期らにあいさつする芳宏さん(広島市安芸区で)
集まった同期らにあいさつする芳宏さん(広島市安芸区で)

 広島市安芸区で避難誘導中、土砂崩れに巻き込まれて亡くなった2人の警察官のために、現場に石碑が建てられた。「多くの人を助けた功績を忘れないでほしい」という遺族の思いに応え、県警OBでつくる県警友会が設けた。6日には、2人の遺族らが真新しい石碑に集い、2人の安らかな眠りを願った。

 2人は呉署員だった 晋川しんかわ 尚人警部補(当時28歳)と山崎 賢弘かつひろ 警部補(同29歳)。3年前のあの日、2人は車で一緒に帰宅途中に、土砂崩れに遭遇した。勤務時間外に危険も顧みず、2人は車を降り、立ち往生するほかの車に乗っていた人に避難を促した。そのさなかに、再び襲った濁流にのまれた。

 2人の亡きがらが見つかるまで、捜索は2週間近くを要した。その中で2人の遺族同士が知り合った。交流を続ける中で、望むようになったことが「形として後世に伝えること」だった。

 晋川警部補には、5歳になる長男がいる。晋川警部補の父・芳宏さん(57)は孫のために、「今は幼くて分からなくても、いつか父親の行いを知ることができるようにしてほしい」と願っていた。

 山崎警部補は幼少期から、きょうだいがけんかをしていれば止めに入るような優しく、周囲からも頼られる人柄だったという。母・美智子さん(62)は「悲しみは重くなるばかり。2人が命がけで頑張ったことを、世の中に残したい」と思いを募らせていた。

 1年前に、遺族の希望を知った県警友会や2人の同期らが、石碑を建てるために奔走した。完成した高さ約1メートルの石碑には、2人の名前と、災害時の避難誘導で多くの命を救ったことが刻まれている。

 この日、石碑前で遺族や同期ら約50人が、それぞれの2人への思いを記した風船を飛ばし、2人に完成を報告した。芳宏さんは「名前が刻まれ、ここで亡くなったと実感する悲しみもあるが、尚人に『お前はすごいことをしたんだ』と言ってやりたい」と感慨に浸った。美智子さんは「涙がいくらあっても足りない。賢弘のことを誇りに思う」と石碑を見つめた。(豆塚円香)

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2185559 0 ニュース 2021/07/07 05:00:00 2021/07/07 05:00:00 2021/07/07 05:00:00 石碑の前で手を合わせる山崎さん夫妻(6日午後7時、広島市安芸区で)=豆塚円香撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210707-OYTNI50009-T.jpg?type=thumbnail

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