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カミガキさん絵本 30か国以上85万部超

広島市中区のデザイン会社「IC4DESIGN(アイシーフォーデザイン)」代表でイラストレーターのカミガキヒロフミさん(55)原作の絵本「迷路探偵ピエール」(永岡書店)が、30か国以上で累計85万部超を販売するヒット作品となっている。ゲーム化も進んでおり、人気はさらに広がりそうだ。(岡大賀)
世界観再現 仏の会社ゲーム化
絵本は、主人公ピエールが怪盗Xに盗まれた秘宝「迷路ストーン」を取り戻すために奮闘する物語。場面ごとに入り組んだ迷路となっている街や森、海などが、手描きで細密に描かれている。絵探しの問題なども出され、ページをめくる度にじっくり楽しめるのが特徴だ。
細やかな絵が描けるイラストレーターを探していた出版社から依頼を受け、カミガキさんが森の家など子ども心に行きたいと思った場所を描き、自分の世界観を表現。幼なじみでコピーライターの丸山ちひろさんに文章を考えてもらい、2年余りをかけて制作した。2014年に第1弾を発行すると世界各国で人気を集め、現在は第3弾までシリーズが続いている。
さらに約3年前、フランスのゲーム制作会社に勤務する「ピエールファン」の男性から「ゲーム化させてほしい」とメールが届いた。思わぬ申し出にも、カミガキさんは「ファンの人からのオファーも、ゲーム化も素直にうれしかった」。即決で承諾した。
ゲームでは、絵本の画風や世界観はそのままに「博物館」や「まちはおまつり」など原作から選んだ10種類のステージを用意した。ピエールを操作して迷路を探検し、怪盗Xの居場所にたどり着くとクリア。各所に隠し扉といった仕掛けが施され、様々な登場人物が話しかけてくるなど遊び心満載の内容となっている。
6月にウィンドウズ向けのパソコン版が販売開始され、ゲームのダウンロードサイトで高評価が集まっている。7月にはニンテンドースイッチ版の配信も開始。今秋以降にはスマートフォンなどへの対応も予定しているという。
カミガキさんは「大人も楽しめるゲームで、絵本よりターゲットが広がる。みなさんが、それぞれの解釈で絵やゲームを楽しんでもらえれば」と話している。