巨大壁画に平和の願い

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おりづるタワー 29日完成

原爆犠牲者の慰霊をテーマに制作した巨大壁画の前に立つこうの史代さん(11日、広島市中区で)=吉野拓也撮影
原爆犠牲者の慰霊をテーマに制作した巨大壁画の前に立つこうの史代さん(11日、広島市中区で)=吉野拓也撮影

 戦後100年の2045年に向け、広島ゆかりの芸術家9人が描いた巨大壁画が今月、原爆ドーム近くの「おりづるタワー」(広島市中区)に完成する。「ウォールアートプロジェクト」と題し、タワーの壁面をキャンバスに見立てて制作したアート作品。ウクライナ情勢が緊迫する中、被爆という過去を乗り越えた広島から、平和な未来への願いを発信する。(森谷達也)

こうの史代さんら 慰霊の念や被爆体験描く

 作品が描かれたのは、タワー1階から屋上展望台まで続くらせん状のスロープ「散歩坂」(全長約450メートル)の壁面で、9人は幅24メートル、高さ4メートルのスペースを1か所ずつ担当。今年に入って制作を始め、4月29日に全作品が完成する予定だ。

 9人のうち1人は、戦時下の広島、呉を舞台にしたアニメ映画「この世界の片隅に」原作者の漫画家・こうの史代さん(53)。「犠牲者や被爆者を知る人が少なくなるにつれ、広島が持つ慰霊の役割が薄れるのではないか」と危惧し、制作を決意したという。

 こうのさんは、原爆投下で亡くなった犠牲者の慰霊をテーマに、 梵字ぼんじ (サンスクリット語)で般若心経を描写し、その周りに平和を象徴するハトや広島カープの帽子をかぶったコイをちりばめた。

 11日にタワーで行われた記者発表で、「2022年にはまだ、慰霊の念が残されていたことを伝えたかった。原爆がなければ出会っていたかもしれない誰かへ、思いを巡らせてほしい」と呼びかけた。

 15歳の時に広島で被爆した洋画家の三浦 恒祺つねき さん(92)(山形県鶴岡市)もプロジェクトに参加。高齢のため、被爆体験を題材に描いた過去の3作品を、同じ美術団体のメンバーに模写してもらった。記者発表では事前に録画した「被爆体験は死ぬまで脳裏から離れない。核兵器をなくさなければとの祈りを込めた」とのメッセージが流された。

 広島県出身の美術作家・若佐慎一さん(39)は、虹色をイメージした7色の招き猫を描き、世界の多様な文化を表現。制作途中、ロシアによるウクライナ侵攻が始まり、両国の国旗の色も取り入れた作品に仕上げた。「ロシアの侵攻は決して許されることではなく、世界情勢が大きな局面を迎えたことを記録した」と話す。

 スロープは有料エリアにあり、入館料は大人1700円、中高生900円など。問い合わせは、おりづるタワー(082・569・6803)。

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