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広大などが論文 早期診断に光
全身の筋肉が衰える難病「筋
ALSは脳や脊髄の神経細胞が死滅し、筋肉が萎縮する難病。進行が速く、発症から3~5年で人工呼吸器が必要になるケースが多い。国内の患者数は約1万人とされる。
ALS患者では、「TDP―43」と呼ばれるたんぱく質に異常が生じ、脳や脊髄に蓄積することが知られていた。だが、脳や脊髄の組織は生前に採取できないため、このたんぱく質を診断に使うのは難しかった。
広島大の丸山博文教授(脳神経内科学)らは今回、死後にALSと確定した患者10人の筋肉内の神経の束を調べ、全員に「TDP―43」が蓄積していることを確認した。
また、2004年以降に筋肉の一部を採取した人で、組織内の神経束に「TDP―43」が蓄積していた33人の経過を調べたところ、全員が最終的にALSと診断されていた。逆に神経束に蓄積がなかった38人は、ALSを発症しなかった。
蓄積は、現在の基準でALSと診断できない段階から始まっていることも確認されたという。
広島大で記者会見した丸山教授は、「今回の成果を臨床現場で活用できるようにするため、今後も検証を重ねたい」と話した。