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菌糸びん飼育 手軽さ破格

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Q.オオクワガタ なぜ低価格に?

 子どもから大人まで、クワガタムシはカブトムシと人気を二分する昆虫界のスターだ。中でもオオクワガタは、県産の雄が1000万円の高値で取引され、「黒いダイヤ」と呼ばれた時代もあった。現在は手頃な価格で購入でき、新型コロナウイルス禍の巣ごもりをきっかけに飼い始めた人も多い。なぜ値段が下がったのだろうか?(高田寛)

自然界は個体減

がっしりしたスタイルに立派な大あごで人気を集めるオオクワガタの雄(小野市で)
がっしりしたスタイルに立派な大あごで人気を集めるオオクワガタの雄(小野市で)
簡単な幼虫飼育を可能にした菌糸びん(多可町で)
簡単な幼虫飼育を可能にした菌糸びん(多可町で)

 オオクワガタはクヌギなどの雑木林に生息する国内最大級のクワガタ。雄はがっしりとした体に立派な大あごを持つ。成虫は越冬し、数年間生きる。

 県東部には有名な生息地がある。ただ、全国的に乱獲や雑木林の伐採など里山の開発、太陽光発電パネル設置による山林破壊が影響し、自然界では個体数の減少が著しい。環境省レッドリストで絶滅危惧2類に分類されている。

繁殖に挑戦

 記者は昨春、長年憧れていた飼育と繁殖に挑戦。県内の店で雌雄ペアを購入した。値段を尋ねると「飼育セット込みで800円」。1999年、当時最大級だった体長8センチの県産の雄が、東京で1000万円で取引されたニュースの記憶があり、破格の安さにがくぜんとした。

 現在、県内の専門店やペットショップ、ホームセンターでつがいが数千円、体長7~8センチの大型の雄を含むペアでも数万円。「菌糸びん」による幼虫の人工飼育方法が広まったおかげだ。

 多可町の昆虫ショップ「よかむらの森」店主で飼育歴通算約30年の寄藤弘樹さん(51)は「昔は材木や砕いた木を発酵させたマットを使って育てた。菌糸びんがオオクワガタを身近な虫にした」と話す。

 広葉樹を砕いたおがくずに食用キノコの菌を植え、ボトルやポリ容器に詰めて幼虫を育てる方法で、菌糸が木の成分を分解し、餌になる。 孵化ふか した幼虫を菌糸びんに入れ、数か月おきにびんを交換すれば、約1年で成虫になる。

 安い菌糸びんは数百円、ネット通販でも入手できる。飼育方法がネットで調べられるようになり、記者も約30匹まで増やすことができた。寄藤さんは「理想的なスタイルや大きさに育て上げた時は胸が躍る。長生きして何年でも楽しめる」と 醍醐だいご 味を語る。

販売 異業種参入

 繁殖や販売に乗り出す異業種の業者も現れている。印刷やデザインを手がける豊岡市の会社「北星社」は、工場の空きスペースを活用して繁殖を計画する。クワガタ事業部長の坂本武士さん(48)は「子どもの頃、オオクワガタはペットショップで見るだけでお金を取られたほどだった。飼育を楽しむ人たちの輪を広げたい」と意気込む。

 伊丹市昆虫館学芸員の田中良尚さんは「飼育や観察は、子どもたちの生態や環境への科学的関心を高める」と人工飼育の普及を評価。一方で、飽きたり増やし過ぎたりして野外に捨てる「放虫」の増加を心配する。「生態系を乱す恐れが強い。飼う人にモラルを求めたい」と警鐘を鳴らす。

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使い方
2269653 0 知っトクひょうご~「へえ」な話題あります 2021/08/08 05:00:00 2021/08/08 05:00:00 2021/08/08 05:00:00 がっしりしたスタイルに立派な大あごで人気を集めるオオクワガタの雄(小野市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/08/20210807-OYTAI50018-T.jpg?type=thumbnail

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