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「逃がすな」阪高の執念

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ETC不正通行 摘発

 阪神高速の料金所でETC(自動料金収受システム)レーンを不正にすり抜けた設備業の男(34)(神戸市兵庫区)が、道路整備特別措置法違反容疑で2月に県警に逮捕された事件。捜査では、男が前を走る車にぴったりと追走して開閉バーが降りる前に通過する「カルガモ走法」と呼ばれる手口を600回以上、繰り返していたことが判明した。摘発を支えたのは、「不正は許さない」という阪神高速道路の社員の執念だった。(鈴木彪将)

 「また出た。常習犯だな」――。2018年7月、阪神高速神戸線・柳原料金所(同区)で撮影された画像を見て、同社の社員たちは確信を深めた。前の車にくっついて、バーが降りる前に一緒にETCを通過する軽乗用車の運転手は、ほおやあごを覆うひげを生やした男。特徴的な 風貌ふうぼう で、別の画像でも、不正通行する軽トラックを運転する姿が映っていた。

 阪神高速のETCは、十分な車間距離がない状態で2台の車が通過しようとした場合、バーにぶつかる事故を避けるため、開いたままになる。男は、この仕組みを逆手に取ったとみられ、前の車と一緒に通過して料金の支払いを免れる不正を重ねていた。

 阪神高速では、入り口に料金所があるが、出口には設けられていない箇所が多い。そのため、「入り口さえすり抜ければ、料金を払わずに通行できる」と考えた悪質ドライバーらが不正通行を繰り返すケースが頻発していた。

 同社は07年、不正を阻止するため、料金所のレーンを通過する車を複数のカメラで撮影する「不正通行監視システム」を導入。男の車も、車体の特徴やナンバープレートが映っていた。同社はナンバーをもとに、弁護士を通じて車検業務を担う軽自動車検査協会に男の住所を照会。18年11月、男宛てに料金の未払いを通知する文書を送った。

 しかし、男は通知を無視して不正通行を繰り返した。同社も、負けじと文書を送り続けた。しかし、20年7月に郵送した9通目の文書は、理由は不明だが、戻ってきたという。

 「逃げたんじゃないか」。同社の社員は同年8月、男の自宅を訪問して直接、料金を請求しようとしたが、住んでいるかどうかすら確認できなかったという。男は同年9月までに、600回以上の不正通行を繰り返し、被害金額は約70万円に膨れあがった。

 業を煮やした同社は今年1月、県警に被害を相談。逮捕された男は、仕事のたびに不正通行をしていたといい、県警の調べに、「料金を払いたくなかった」と身勝手な動機を供述したという。男は起訴され、今月16日に地裁で判決が言い渡される。

 監視システムの導入で、不正通行は大幅に減少しているが、撲滅には至っていないという。阪神高速道路は「単純な手口だが、打てる対策も限られているのが悩ましい。悪質な不正通行は、車両や運転手を特定し、厳正に対処していきたい」としている。

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