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マーカー絵画が話題 柳生 千裕君 西宮市

「発色のいい色が好き」と笑顔を見せる千裕君(右)と父、尚央さん(西宮市で)
「発色のいい色が好き」と笑顔を見せる千裕君(右)と父、尚央さん(西宮市で)
首里城再建への願いを込めた作品「いつかその日まで」
首里城再建への願いを込めた作品「いつかその日まで」

 オレンジ、ピンク、ブルー――。鮮やかなマーカーのペン先から、独創的な色彩の絵が生み出されていく。干支えとの「うし」、動物、魚、花。躍動感にあふれた構図と精緻せいちな絵柄。下描きはしないのに、マーカーを握る手に迷いはない。

 「どんな絵に仕上がるかは、自分でも描いてみないとわからないけれど、それが楽しい」。西宮市の小学6年、柳生千裕ちひろ君(12)が、358色あるカラーマーカー「コピック」の1本を手に屈託のない笑顔を見せた。

 本格的に絵を始めてまだ2年。しかし、父の尚央ひさおさん(41)が作品をソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に投稿すると、瞬く間に話題になり、2019年のコピックのイラストコンテストでは19歳未満が対象の「次世代アーティスト賞」部門でグランプリに輝いた。

 5歳の頃、自閉スペクトラム症と診断された。人前で緊張して言葉が出ない。かんしゃくを起こすこともある。小学校に入っても、学校で誰とも会話せずに帰宅する日が続いた。それでも、勉強は好きで、休まず登校した。集中力は人一倍ある。「個性のひとつだよ」。尚央さんは、わが子のことを前向きに受け止めようと思った。

 千裕君の絵の才能が開花し始めたのは、小学4年の時。芸大出身の尚央さんが、自身も学生時代に使っていたコピックをプレゼントした。それまで、黒色ペンで子どもらしい絵しか描いたことがなかったのに、マーカーを手にした途端、カラフルで誰も思いつかないような個性的な絵柄の作品を次々と描くようになった。

 「首里城を描いてもらえませんか」。19年秋、SNSのフォロワー(登録者)のひとりからメッセージが届いた。正殿などが炎に包まれ、焼け落ちた火災の直後だった。

 僕の絵で誰かが元気になってくれるなら――。千裕君は首里城の歴史、デイゴなどの沖縄の草花をインターネットで調べ、1か月かけて絵を仕上げた。タイトルは「いつかその日まで」。首里城の赤瓦が再び沖縄の青空に映える時が来るように、という願いを込めた。

 「希望の象徴」「明るい色遣いに励まされた」。SNSには多くの感想が寄せられた。沖縄の年中行事などを載せた「沖縄手帳」の発行人、真栄城まえしろ徳七さん(69)の目にも留まり、21年版の手帳の挿絵にも採用された。真栄城さんは「沖縄の人の喪失感を埋めてくれる絵」と喜ぶ。

 「絵には、年齢も性別も国籍も関係なく、人を幸せにできる力があるんだと気づいた。これからも自分らしく絵を描き続けたい」と話す千裕君。色とりどりの夢が、どこまでも広がっていく。(児玉圭太)

          ◇

 <MEMO> 千裕君は、2019年の「コピックアワード」次世代アーティスト賞グランプリや、20年の「アートパラ深川大賞」特別賞などを受賞。自身の作品をあしらった5枚組みポストカードを沖縄手帳社から販売しており、収益は首里城の再建に充てられる。作品は、ツイッターのアカウント「nao_yagyu」、インスタグラムのアカウント「yagyu_nao」に掲載している。

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1745697 0 破顔、一生 2021/01/04 05:00:00 2021/01/04 05:00:00 2021/01/04 05:00:00 絵画について尚央さんと話す柳生千裕君。「発色のいい色が好き」という(西宮市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/01/20210104-OYTAI50008-T.jpg?type=thumbnail

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