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<2>剛腕と情 支えてくれた

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野中さんの優しさ

宝塚市長1期目の頃、市役所を訪れてくれた野中さん(左)と再会を喜ぶ中川さん。政治家として、人として尊敬した(2010年2月)=中川さん提供
宝塚市長1期目の頃、市役所を訪れてくれた野中さん(左)と再会を喜ぶ中川さん。政治家として、人として尊敬した(2010年2月)=中川さん提供

 前宝塚市長、中川智子さん(73)の述懐は続きます。社民党の1年生衆院議員だった頃、影響を受けたのは、今は亡きあの自民党の重鎮でした。

 昔の自民党の政治家は、懐が深かった。一番は、野中広務さん(元党幹事長)だわ。

 野中さんが、衆議院の日米安保土地使用等特別委員長をしていた時のこと。沖縄戦で家族を亡くした人の話を紹介しながら、「沖縄の人たちの悲しみに寄り添わないといけない」と。

 その発言に感動してね。1年生だった私は、面識もないのに野中さんの事務所に飛んで行ったのよ。「今日の野中さんの発言に涙が止まらなかった。これからも色々教えてもらいたい」ってお願いしたの。

 野中さんとは議員宿舎の同じ階で、その後は私の宿舎のドアノブにお菓子が入った紙袋を掛けてくれた。お礼に行ったら、「社民党には付け届けなんてないだろ? おいしいから食べなさい」と言った後、「何かの時は、僕を頼りなさい」って。

 災害で自宅を失った人に最大100万円(当時)を支給する被災者生活再建支援法の制定を目指していた時には、大蔵省で「私有財産に税金は使えない」と突っぱねられました。

 それで、「いま、大蔵省の役人にいじめられてる」って野中さんに電話をしたら、すぐ来てくれて。「私有財産にびた一文も税金は出せないというが、田畑が台風で被害を受けた時には金を出してるじゃないか」と後押ししてくれた。

 ハンセン病患者の国家賠償訴訟が問題になった時も「原告の方が『官房長官に会いたい』と言ってます」と電話したの。すぐ時間を取ってくれて、じっくりと話を聞いてくれた。薬害ヤコブ病被害者の支援とか、何かと手伝ってくださったなあ。

 私を応援してくれる理由を尋ねたことがあってね。「君は、票にも金にもならないことを一生懸命やってる。そんな議員は見たことがない。だから、君の応援をしたら、僕もいい仕事ができたと思える」って。

 野中さんが政界を引退した後もお付き合いがあってね。2009年に私が初めて宝塚市長選に挑戦した時も、様々な政党に根回した上、応援にも駆け付けてくれた。みんな「本物の野中広務だよ」「何で、自民党の重鎮が……」ってびっくりしていたわね。

 野中さんは、剛腕と情がしっかり同居している方。「二度と戦争を起こしてはいけない」という強い意志がおありだった。優しい人でした。

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2157355 0 駆け抜けた 中川智子さんの20年 2021/06/26 05:00:00 2021/06/26 05:00:00 2021/06/26 05:00:00 宝塚市役所を訪れた野中さんと握手を交わす中川さん(右)(2010年2月、宝塚市役所で=中川さん提供) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/06/20210626-OYTAI50000-T.jpg?type=thumbnail

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