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<6>政界復帰はないわよ

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我慢と決断

「懸命に駆け抜けた日々だった」と語る(今年4月)=宝塚市で
「懸命に駆け抜けた日々だった」と語る(今年4月)=宝塚市で
大相撲巡業であいさつを終え、引きあげる中川さん(左手前)。拍手する観客も多かった(2018年4月6日)=宝塚市で
大相撲巡業であいさつを終え、引きあげる中川さん(左手前)。拍手する観客も多かった(2018年4月6日)=宝塚市で

 全国に先駆けた、「就職氷河期世代」の市職員採用。大相撲巡業の際、土俵上でのあいさつを求めたアピールは、角界に残る「女人禁制」の伝統に一石を投じ、議論を呼びました。宝塚市長時代、何かと目立った中川智子さん(73)です。ただ、苦悩の日々もあったと明かします。

 2009年に就任した時、それまでの市政が抱えていた膨大な借金の返済から始まりました。大きな事業はほとんどできなかったわね。我慢の年月が続きました。

 そんな時期に二つの土地が売りに出され、買うか否かの決断を迫られたの。

 一方が、NTN(旧東洋ベアリング)の工場跡地です。市役所隣の一等地にある4ヘクタール。耐震性に問題を抱える上下水道局の建て替えに加え、災害対応の危機管理センターを入れる新庁舎と市民が憩える広場の敷地として、どうしても欲しかった。

 それから、閉鎖された宝塚ファミリーランドの跡地1ヘクタールです。あそこに高層マンションができたら、市立手塚治虫記念館や「花のみち」がかすみ、魅力が消えてしまう。だから、緑を残して市立文化芸術センターを建てたの。

 二つの土地に、計43億円かかりました。財政に余裕はないけど、市の将来のための投資と判断しました。

 そんな中で、宝塚市立病院を抱えていて。県立の病院を軸にできる尼崎市や西宮市とは違う。地域医療のため、市独自で絶対に病院を維持しなければいけないと思った。19年度には一般会計から病院会計に4億円を投入するなどして、守り切ってきた。

 もちろん行財政改革はしないと。これは市職員との信頼関係だと思うけど、給料カットもしました。

 宝塚市の財政は他の類似自治体と比べても健全だというデータもある。私の3期12年で財政が危機的になったとは思っていません。

 今、「うちはすごく黒字です」っていう地方自治体はない。国からの交付税も何もかも削られて、新型コロナウイルス禍でますます財政は 逼迫ひっぱく するし、東京への一極集中でおこぼれにさえあずかれない。それなら国に対して、私たちはやっぱり物を言うべきであって……。

 でも、政治家への復帰はないわよ。私はもう一度、政治以外の世界で人生のステージを作りたいと思ったから引退した。それは覆ることはない。今は阪神大震災のボランティア体験や子育てに関する本を書いたり、講演をさせてもらったりしています。

 相撲の土俵の話? あれは何も、女性にも相撲を取らせろってことじゃないのよ。要は「女性市長も男性と同じように土俵上であいさつできるようにしてほしい」っていうこと。このテーマは話し出すとすごく時間がかかるから、また次の機会にね。

 =おわり。この連載は高部真一が担当しました。

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2328250 0 駆け抜けた 中川智子さんの20年 2021/08/31 05:00:00 2021/08/31 05:00:00 2021/08/31 05:00:00 退任前にインタビューに応じる中川さん(宝塚市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/08/20210831-OYTAI50000-T.jpg?type=thumbnail

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