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<1>移住者獲得 険しい道

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人口減

 「移住にためらいはなかった。子育てには最高の環境です」

 昨秋、本社機能の一部を淡路島に移すことを発表した人材サービス大手パソナグループ。東京都から淡路市に引っ越した社員の伊倉麻衣さん(37)は6月下旬、一変した生活環境について社宅のマンションで語った。

 夫の啓介さん(28)、長男の 啓翔けいと ちゃん(3)と3人暮らし。6階の居室は3LDKで、家賃は東京の3分の1以下。ベランダからは大阪湾が一望でき、車で5分走れば砂浜が広がる。

 オフィスはマンション1階にあり、麻衣さんが働く間、啓翔ちゃんは同フロアの託児施設に預けられる。東京で美容師として働いていた啓介さんも今春からパソナ社員となり、飲食や美容の企画に携わっている。

 パソナは2024年5月までに東京などの本部社員約1800人のうち1200人を淡路島に移す計画。現地での新規採用も進める。

 さっそく波及効果が表れつつある。昨年11月時点で約120人が淡路島で働くようになり、移転がメディアで報じられたことで、関東からの移住相談が増加。淡路市では20年、転入が転出を69人上回った。

 16年前の合併で誕生した市にとって初めての「社会増」となった。

       ◇

 県の懸案の一つが人口減だ。その主因は、転出する人が転入者を上回る「転出超過」の多さにある。12年以降毎年続き、20年の転出超過数(外国人を除く)は7523人で、全国ワースト。淡路市のように転入が上回った自治体は少ない。

 特に大阪府への流出が目立つ。最近は年2000人前後の転出だったが、新型コロナウイルス禍に見舞われた20年は前年比1・8倍となる4445人が転出。一方、大阪府は1万3382人(同)の転入超過で、兵庫県からの転入が最多だった。

 深刻なのが20歳代の流出だ。年約2万人いる県内の大学卒業者のうち、地元に就職する割合は3割弱。県内就職率の低さが影響しており、県の担当者は「若者をとどめなければ、人口減には歯止めがかからない」と危機感を抱いている。

       ◇

 コロナ禍では都市部の密を避け、地方へ回帰する機運が全国的に高まる。テレワークの普及などで東京一極集中は見直されつつあり、移住者獲得の自治体間競争は激しさを増している。

 県も移住促進策を打ち出し、昨年11月~今年3月、県内のログハウスなどへの宿泊費や交通費などを補助する「お試し移住」の希望者を募集。1人月10万円を上限に経費の半額補助をアピールしたものの、応募者は一人もいなかった。

 県は3年後に「転出超過ゼロ」の目標を掲げるが、解決策は見いだせていない。(諏訪智史、山口博康)

       ◆

 20年ぶりに新人同士が争う知事選の投開票(18日)を前に、県政の課題を検証する。

サービス 低下の恐れ

 様々なデータが県に暗い現実を突きつけている。

 2020年の国勢調査(速報値)によると、県内人口は546万9184人。5年前の前回調査より1.19%(6万5616人)減った。減少率は1947年に次ぐ戦後2番目の高さで、尼崎など大阪に近い阪神南以外、全ての地域で住民が減少している。

 長期的な展望はさらに厳しい。県の推計では、35年には500万人を切る。上郡町や新温泉町など4町は1万人を下回る。人口が減少した自治体では税収減などで、住民サービスが低下する可能性もある。

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2191576 0 知事選 2021 県政の課題 2021/07/09 05:00:00 2021/07/09 05:00:00 2021/07/09 05:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210708-OYTAI50022-T.jpg?type=thumbnail

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