読売新聞オンライン

メニュー

ニュース

動画

写真

スポーツ

コラム・連載・解説

発言小町

漫画

教育・受験・就活

調査研究

紙面ビューアー

その他

サービス

読売新聞のメディア

購読のお申し込み

読売新聞オンラインについて

公式SNSアカウント

<4>開業医と連携 不可欠

スクラップは会員限定です

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

コロナ禍

第4波でコロナ患者の対応に追われた県立尼崎総合医療センターのスタッフ(5月6日撮影、尼崎市で)=松尾さん提供
第4波でコロナ患者の対応に追われた県立尼崎総合医療センターのスタッフ(5月6日撮影、尼崎市で)=松尾さん提供

 「感染者の増加スピードが、感染拡大の『第3波』までとは別次元で、極限状態だった」。新型コロナウイルスの重症患者の治療にあたる尼崎市の県立尼崎総合医療センター感染症内科医長、松尾裕央さん(45)は、「第4波」がピークを迎えたとみられる4月中旬以降の状況を振り返った。

 新型コロナの県内の1日あたりの新規感染者は、4月24日に過去最多の629人に達し、累計感染者も同27日に3万人を超えた。

 センターは2020年7月以降、重症患者の病床10床、中等症、軽症向けは計36床を確保。医師、看護師数や一般患者と動線を区別できる病室数などを考慮し、用意したベッドだったが、今年の「第4波」の時期は重症病床が何度も満床になり、中等症、軽症用もほぼ埋まる日が1か月以上続いた。

 尼崎市保健所からは連日、「自宅で入院を待つ感染者の容体が悪い。受け入れて」と求められたが、断らざるをえないこともあったという。松尾さんは「人も機器も病床も、病院が持つ力をすべて出し切っても対応しきれなかった」と悔やむ。

 助けになったのは、地域の開業医だ。尼崎市は1月から、市医師会を通じ、自宅にいる感染者らを開業医が往診する取り組みを始めていた。市保健所の依頼で医師が深夜に駆けつけて酸素吸入とステロイド投与などの処置を施し、センターの病床が空くまで命をつないだケースもあった。

     ◇

 県は当初、感染者を原則入院させる対応を取り、各病院に協力を求めてコロナ病床を段階的に増やした。昨年3月上旬は54床だったが、今年4月下旬には935床を確保。しかし、感染拡大で病床は 逼迫ひっぱく 、入院調整中の患者が1000人を超え、県は軽症者らについて自宅療養を認める形に方針転換した。県や尼崎市などは、自宅療養者を往診した開業医らに支援金を出すなどしてサポートしてきた。

 次の波に備え、県はコロナ対応の経験が少ない民間病院の医師らを対象に、人工呼吸器などの医療機器の使い方などを教える研修の実施を予定している。患者の受け入れに消極的だった病院などともノウハウを共有し、県全体のコロナ対応力を底上げする狙いがある。

 尼崎総合医療センターは、尼崎、西宮市の開業医ら向けに独自の講座を開き、より深く連携できる関係づくりを急ぐ。軽症者の診察、治療には開業医らも関わってもらい、重症化リスクを下げながら、センターは重症入院患者の治療に重点を置く。

 院長の平家俊男さん(67)は「コロナ対応では、医療機関の『点』を『面』に広げていかなければいけない。患者の症状や治療の段階に応じ、各医療機関が役割を分担しながら、持てる力を100%発揮できる環境づくりが必要だ」と指摘する。

 感染症対策は一朝一夕にはできない。県には、これまでの経験、教訓を生かした適切な対応が求められる。(上野将平、山本貴広)

病床使用85%の日も

 県内では、2020年3月1日に西宮市で初めて新型コロナウイルスの感染者を確認。今年7月14日までの累計感染者は4万1000人を超えている。

 感染拡大の「第4波」が押し寄せていた4月下旬には、病床使用率が85%に達した日もあり、医療体制は崩壊の危機に直面。7月に入ってからは、1日あたりの新規感染者は10~50人台で推移し、県に適用されていた「まん延防止等重点措置」は11日で解除されたが、13日には80人に増え、県は引き続き感染拡大への警戒を呼びかけている。

無断転載・複製を禁じます
スクラップは会員限定です

使い方
2207218 0 知事選 2021 県政の課題 2021/07/15 05:00:00 2021/07/15 05:00:00 2021/07/15 05:00:00 第4波で、コロナ患者の対応に追われた病院スタッフたち(5月6日撮影)(松尾医長提供)(兵庫県尼崎市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210714-OYTAI50042-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)