<震災9年>神大生への感謝 瓶詰め

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ボトルシップを手に学生との再会を待ち望む山口さん(岩手県陸前高田市で)
ボトルシップを手に学生との再会を待ち望む山口さん(岩手県陸前高田市で)
山口さんお手製のボトルシップ
山口さんお手製のボトルシップ

陸前高田で交流 13人と再会 熱望

 大学生が私のすさんだ心を癒やしてくれた――。東日本大震災で被災した岩手県陸前高田市の山口蔦吉さん(91)が、5年前に仮設住宅で交流した神戸大のボランティア学生13人を探している。津波で家族や自宅を失い落胆する中、一緒にグラウンドゴルフをしたり、お茶を飲んだりと大学生との交流をきっかけに生きる希望を取り戻した。「お礼が言いたい」。山口さんは13人との再会を熱望している。(高木文一)

山口さん ボトルシップ制作

 山口さんは東日本大震災の津波で自宅を失い、2011年5月、市立横田小学校の仮設住宅に入居。周囲も同じ境遇で、共有するのは大震災で受けた痛み。励まし合っても、解消されない<つらさ>が残ったという。

 2015年夏、山口さんの住む仮設住宅に神戸大生のボランティア13人が来た。学生たちはお茶会や運動会など交流会を企画し、約30人の住民と交流した。たった1日だったが、「阪神大震災の被災地・神戸から学生が来てくれたことがうれしかった。何ともないやりとりだったけど、励まされた。住民の表情も明るくなった」。

 別れ際、学生が「来年、また来ますね」と声を掛けてくれた。感謝の気持ちを伝えたいと考え、趣味で作り続けているボトルシップをプレゼントすることを思いついた。

 かつて1等機関士として世界中を航海した山口さん。1968年に1か月以上のストライキがあり、暇をもてあまし、船内の木片で船の模型を作った。その後、寄港した神戸で見かけたボトルシップのとりことなり、これまでに200本以上制作した。

 直径約2センチの瓶の口から、細長いピンセットを差し入れて細かい部品を組み立て、2週間ほどで完成するという。長さ約26センチの船体に4本のマストを立てた手の込んだ構造。

 神戸大生のために、と仮設住宅で約半年かけて、13本のボトルシップをつくりあげた。船体には学生の名前をつけた船名が刻まれている。

 だが、翌年に再会はかなわず、学生の名前のメモも紛失したため、手がかりがなくなった。今でも13本のボトルシップを大切に保管しており、「住所が分かれば郵送もできる。また会えればもっとうれしい」と話している。

 2015年頃に陸前高田市立横田小を訪れた神戸大生ボランティアについて心当たりがある方は、読売新聞神戸総局(kobe@yomiuri.comまたは078・333・5115)へご連絡をお願いいたします。

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1101387 0 ニュース 2020/03/11 05:00:00 2020/03/11 05:00:00 2020/03/11 05:00:00 ボトルシップを手に学生との再会を待ち望む山口さん(岩手県陸前高田市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/03/20200311-OYTNI50013-T.jpg?type=thumbnail

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