酒米農家へ 感謝の歌

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酒蔵4社社員がバンド CD収益 寄付

 国内屈指の酒所・灘五郷にある酒蔵4社の有志社員が、音楽バンドを組んだ。きっかけは、有志の飲み会。減少の一途をたどる日本酒の国内消費に立ち向かうためだ。ところが日本酒イベントで配る予定だった自主制作のCDを準備中、コロナ禍が起きた。当面、イベントもできない。そこでCDの売り上げを酒米の生産農家に寄付することにした。それもやはり、酒の席で出たアイデアらしい。(伊藤孝則)

酒なベイベーズのメンバー。バイオリンやトランペットと多彩な音色が売りだ(西宮市で)
酒なベイベーズのメンバー。バイオリンやトランペットと多彩な音色が売りだ(西宮市で)
日本酒の写真をあしらったCDジャケット。サビでは観客との掛け合いで盛り上がる工夫もした
日本酒の写真をあしらったCDジャケット。サビでは観客との掛け合いで盛り上がる工夫もした

「音楽で盛り上げたい」

 今夜はあなたと 朝が来るまで一緒にいたい

 GIジーアイ 愛 愛のしるしを見つけたら 灘五郷 強引だけど魅(ひ)かれちゃう

 今月10日、灘五郷の酒蔵であったバンドの練習を見学した。歌われていたのは、初のオリジナル曲「GI 灘五郷の唄」。国が品質を保証する「地理的表示(GI)」に指定された「灘五郷」を謎の男として擬人化し、その魅力にひかれていく女性との掛け合いを歌うデュエットソングだ。

 バンド名は「酒なベイベーズ」。神戸市東灘区の白鶴酒造と菊正宗酒造、西宮市の大関、辰馬本家酒造の社員で、音楽を愛する8人(20~50代)が2019年に結成した。ロック用語の「シェケナベイベー(さぁ踊ろう)」にちなんだのかと思いきや、語感を優先しただけらしい。

 「競合他社でも、灘五郷には酒所としての一体感があるのです」と女性ボーカルの小川真由美さん(44)。メンバーは、日本酒のPRイベントなどで普段から顔なじみ。飲み会で「酒と音楽を愛する人に悪い人はいない」と、バンド活動が始まった。

 背景には、深刻な清酒離れがある。国税庁によると、1975年に167万キロ・リットルあった清酒の年間消費量は年々落ち込み、2000年に100万キロ・リットル、18年に50万キロ・リットルをそれぞれ割り込んだ。メンバーには以前から「音楽で日本酒を盛り上げたい」との思いがあり、昨秋の酒蔵イベントで正式デビューした。

 ステージでは当初、カーペンターズなどのカバー曲を披露していたが、バンドのカラーを打ち出そうと、オリジナル曲作りに挑戦。コロナ禍が起きたのは、まさにそのまっただ中だった。日本酒イベントもことごとく中止となり、うちひしがれていたところ、酒米の山田錦を手がける生産農家が大打撃を受けているというニュースを見た。

 「どの酒蔵もお世話になっている酒米の農家のみなさんのため、この曲を使うべきじゃないか」。男性ボーカルの柴田航さん(40)の提案に、メンバーだけではなく、それぞれの勤め先も納得。CDの収益を三木市の山田錦生産部会に寄付することにした。

 ジャケットには楽器と日本酒の写真をあしらい、裏面には日本酒造りの工程もイラストで紹介した。ベースの谷後渉さん(48)は「コロナが落ち着いたら、日本酒を手に一緒に歌ってくれるとうれしい」と話す。CDは税込み500円。各社直営の資料館やレストラン、阪神西宮駅の「阪神西宮おでかけ案内所」でも購入できる。

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1500315 0 ニュース 2020/09/25 05:00:00 2020/09/25 05:00:00 2020/09/25 05:00:00 灘五郷の酒蔵から有志が集まって結成された酒なベイベーズ(西宮市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/09/20200925-OYTNI50004-T.jpg?type=thumbnail

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