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<東日本大震災10年>津波の教訓 絵本で継ぐ

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大槌高生が制作

 防災を専門に学ぶ県立舞子高校(神戸市垂水区)が今月、東日本大震災で被災した岩手県立大槌高校(岩手県大槌町)の生徒たちの体験を描いた絵本を紹介する出前授業を始めた。11日で「あの日」から10年。同世代の津波被害の記憶を受け継ぎ、阪神大震災の被災地で伝えていくという。(諏訪智史)

舞子高生が出前授業

 「海に遊びに来ていて、地震が来ました。あなたならどうする?」

 阪神大震災を受けて2002年に設立された舞子高校環境防災科の1~2年生8人が6日、神戸市中央区の児童センターに集まった親子連れら約30人に、大槌高校の生徒が描いた絵本を見せながら問いかけた。

 「津波から逃げる時には『早く』『高く』『遠く』を意識して」。こう教えると、子どもらは深くうなずき、市立小3年の仲澤知里さん(9)は「津波が来たら、今日聞いたことを思い出したい」と話した。

 絵本は、大槌高校復興研究会の3年生3人が10年前の被災体験を描いた「伝えたいこと あの日、私は小学2年生だった」(A4判、72ページ)。制作者の1人、佐々木結菜さん(18)は小学校の帰りの会が終わった直後、大きな揺れに襲われ、近くの山の中腹にある公民館に避難した。

 津波が街をのみ込む様子を見て、夢中でさらに高台へと逃げ、一命を取り留めた。一方、自宅に戻った友人は亡くなった。

 こうした体験に加え、「4人で一つのおにぎりを一口ずつかじった」「はさみで切ったカーテンが布団代わり」と苦しかった避難所生活も詳細に描いた。

 「自分より若い子に震災の記憶が薄れている」

 復興とともに街の風景が変わっていき、地元でも津波の記憶がない世代が増えていることに危機感を抱いたことから、3人は20年5月、被災体験を絵本にまとめた。

 東北以外の地にも伝えようと、昨年、防災イベントを通じて交流のある舞子高校を訪れ、絵本を手渡すつもりだったが、新型コロナウイルス禍で断念。

 代わりに昨夏、同校に絵本7冊を寄贈した佐々木さんは「自分たちの体験が同世代の力で阪神の被災地に伝わればうれしい」と思いを託した。

 阪神大震災後に生まれた舞子高校環境防災科2年の平川歌帆さん(17)は「大槌の生徒から、自分たちの世代が災害の恐ろしさを伝えていくことの重要性を学んだ」と語る。

 同校は今後、南海トラフ巨大地震で津波のリスクがある淡路島などでの出前授業を計画している。

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