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再犯防止へ ケアに注力

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「弱さ克服に もがいている」

 罪を犯した人たちが、「過ちを繰り返したくない」と願い、県内外から訪れる場所が神戸市中央区にある。臨床心理カウンセリングルーム「研心音けんしんおん」。代表で臨床心理士の中村大輔さん(37)が、なぜ犯罪行為をしてしまったのか、社会背景や当事者の心理を分析し、適切な助言や指導を通じて再犯防止につなげ、更生や社会復帰を後押ししている。(中西千尋)

心理カウンセリングを通じて再犯防止に取り組む中村さん(神戸市で)
心理カウンセリングを通じて再犯防止に取り組む中村さん(神戸市で)

臨床心理士・中村さん

 「万引きは、ジェットコースターのようなもの。緊張と弛緩しかんを経験すると、人は快感を覚えてしまうんです」

 JR神戸駅近くの雑居ビルにある研心音の部屋で、中村さんが相談者の女性に優しく語りかけた。女性は、万引きをした罪で刑事裁判を受けており、「盗むことをやめられない。何とかしたい」と研心音の扉をたたいた。心理カウンセリングでは、知能テストや、成育環境などの聞き取りを重ねる。「なぜ罪を犯してしまうのか」を本人に気づかせ、罪と向き合い、自己をコントロールできるよう促していく。

 中村さんは「犯罪は、それまでの人生で形成された価値観や癖が、社会に合わない形で表れたもの」と説明。「時間はかかるが、誤った傾向を正していくことが真の更生になる」と話す。

 研心音の開設は2011年。心身の悩みや人間関係、子どもの発育などについての相談を受け付けてきたが、次第に、「罪を犯してしまった自分を変えたい」と希望する人たちも訪れるようになった。

 自分の娘に性的暴行をはたらいてしまった父親、万引き衝動を抑えられない女性――。話を聞くうちに、この人たちは、社会から取り残されているのではないか、と感じるようになった。「罰することも必要だけれど、司法制度は、動機や背景事情を探り、繰り返させない取り組みにまで手が届いていないのでは」。再犯防止のための心理カウンセリングに力を入れ始めた。

 相談者の刑事裁判を担当する弁護士から頼まれ、情状証人として法廷に立つこともある。被告が心理カウンセリングに通い、再犯防止に努めていることが、刑の執行を猶予する理由として判決文に記載される機会も増えた。

 「犯罪者を助けるのか」という批判を受けることもある。しかし、「犯した罪について、きちんと反省させることは、被害者のためになる。新たな被害者を生まないことにもつながる」と信念を曲げない。

 研心音の開設以来、再犯防止の相談を受けたのは計約70人に上る。中村さんは「過ちを悔やみ、自分の弱さを克服しようともがいている人たちがいる。犯罪者だからと区別せずに、人は変わることができると信じてもらえるよう、支援していきたい」と語る。

 問い合わせは研心音(078・955・2331)。

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1983557 0 ニュース 2021/04/14 05:00:00 2021/04/14 05:00:00 2021/04/14 05:00:00 心理教育で再犯防止に取り組む中村大輔さん(神戸市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/04/20210414-OYTNI50002-T.jpg?type=thumbnail

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