<阪神大震災 27年>26歳花嫁 母に感謝の式

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女手一つ 産み育ててくれた

つき子さん(左)とバージンロードを歩く愛さん(神戸市中央区で)
つき子さん(左)とバージンロードを歩く愛さん(神戸市中央区で)
結婚式を挙げた愛さん(右)と勝次さん(神戸市中央区で)
結婚式を挙げた愛さん(右)と勝次さん(神戸市中央区で)

 阪神大震災から17日で27年となるのを前に、震災が起きた1995年に生まれた女性が神戸市で結婚式を挙げた。式場の運営会社が震災後に生まれたカップルに挙式をプレゼントし、新たな門出を応援しようと企画。女性は、震災後、女手一つで2人の姉妹を育てた母親に感謝を伝えた。(山口佐和子)

 「震災の時に私の妊娠が分かり、産み育ててくれたおかげで今日を迎えられたことに感謝の気持ちでいっぱいです」

 神戸市中央区の結婚式場「オーシャンプレイス」で14日、新婦の大橋愛さん(26)=神戸市兵庫区=は、母親の北田つき子さん(68)に感謝の手紙を読み上げた。この日、新郎の勝次さん(28)と挙式し、互いの家族5人から祝福を受けた。

 愛さんは95年8月生まれ。あの日、つき子さんは東灘区の自宅で被災し、近くの小学校で避難所生活を送った。その際、足をけがして病院を受診すると、愛さんの妊娠が分かった。

 つき子さんはシングルマザーで、愛さんの七つ上の姉、真希さんを育てていた。妊娠を喜ぶ反面、ひとり親家庭の生活は厳しく、出産にためらいも。母親の迷いを察したのか、真希さんは「私がお父さんになってあげる」と励ましたという。つき子さんはその一言で出産を決意し、「何があっても震災を乗り越え、子どもにさみしい思いをさせないよう育てよう」と誓った。

 仲の良い姉妹だった真希さんは4年前、病気で30歳の若さで亡くなった。愛さんは「お父さん代わりでもあった姉にウェディングドレス姿を見せたかった。空で祝福してくれるはず」と思いをはせる。

 式場を運営する「クレ・ドゥ・レーブ」(神戸市中央区)は4年前から、結婚式を通じて次世代に震災を継承しようと、震災後にどちらかが神戸市で生まれたカップルに挙式をプレゼントしている。企画を知った愛さんは「自分にとって震災は特別な出来事。家族に感謝の気持ちを伝えたい」と応募し、選ばれた。

 披露宴では、真希さんの遺影をつき子さんの隣の席に飾った。つき子さんが手紙を読む場面もあり、「女手一つでたいへんな苦労をさせましたが、いい伴侶に巡りあえたことをうれしく思います」とのメッセージに、愛さんの目に涙があふれた。

 愛さんは「笑いの絶えないにぎやかな家庭をつくりたい。勝次さんと2人で支え合っていくので母には見守っていてほしい」と笑顔を見せた。

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