中高一貫3年で10校増

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日立一高サイエンス科に生徒による研究成果発表会(2月27日、日立市で)
日立一高サイエンス科に生徒による研究成果発表会(2月27日、日立市で)

 日立市民会館で2月27日に開かれた県立日立一高サイエンス科の成果発表会。同科に在籍する2年生が「建築材としての竹の有能性」「アルツハイマー病治療の今後の展望」など、個人やグループで研究しているテーマについて、それぞれ約2分間の短時間で簡潔に説明した。

 同校は2012年度に付属中が設置された県内唯一の併設型中高一貫校。中学は2学級(約80人)で、高校から新たに4学級(約160人)が加わる。07年度からスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定されており、論理的な思考力や表現力を養う独自の科学教育を展開している。

 中学の授業では、総合的な学習の時間に「サイエンスリテラシー」があり、科学の楽しさを学ぶことができる。教科書に沿って進む一般的な理科の授業とは異なり、データ解析や実験など研究の基礎技術を身に付ける内容が中心だ。

 中学から入学した高校2年の小泉薫さん(17)は「6年間を通して大好きな科学に関する知識を蓄積できるのがうれしい」と話す。同校では、科学分野以外でも中学、高校の教諭が定期的に話し合い、授業方針や生徒の進路などについて情報共有し連携を図っている。

■20年度に5校開校

 公立中高一貫校は現在、県内に4校ある。▽中学、高校とも県が設置者の「併設型」(日立一高・付属中)▽常陸大宮市が設置した2中学、県立小瀬高が協力する「連携型」▽県が設置者で、一つの学校として6年間の教育が行われる「中等教育学校」(並木、古河)――の3タイプに分かれている。

 19年度の受検倍率は、日立一付属中が2・43倍、並木中等教育学校が4・18倍。独自カリキュラムや大学進学率の高さなどから、中高一貫校の入学希望者は多い。

 こうした背景もあり、県教育委員会は、2月に策定した「県立高校改革プラン」に基づき、中高一貫校を20年度から3年間で計10校増やす方針だ。新年度当初予算案に6億3576万円を盛り込み、20年度に開校予定の5校について、中学併設に向けた準備を進める。

 10校は併設型9校、中等教育学校1校で、交通網や通学実態に沿って県内各地に設置する。

■起業家精神を育成

 中高一貫教育の狙いについて大井川知事は2月20日の記者会見で「地域のリーダー、世界に飛び立つ人材を育成する。時間的なゆとりのある中でしっかりと人間性を育み、新しいことにチャレンジする起業家精神を兼ね備えた人材を育てたい」と述べた。

 中高一貫校については、プラン策定過程で県教委が行った県民の意見募集でも「既設地域でも設置を検討してほしい」「中高6年で人生を考える教育を受けられる」など、肯定的な声が寄せられた。

 一方で、教員や保護者の間には「希望者全員が中高一貫校に入れるわけではなく、教育格差の拡大につながる」といった批判もあり、大井川知事は同じ記者会見で「大事なのは中高一貫校ではなく、それぞれの学校がどれだけ特色ある教育を行えるかだ」とも強調した。

 既存の中学や高校に生徒が来なくなり、廃校になるという懸念の声もある中、県教委には丁寧な説明が求められている。今月下旬、県教委は20年度の開校を予定する5校について、説明会を4か所で予定している。(浜口真実)

県立高校改革プラン 社会の変化や、少子化社会の中で、県立高校の在り方、適正規模・適正配置についての方向性を示している。県教育委員会が2月に策定した2020~26年度のプランでは、県内を通学状況などにより12エリアに細分化。生徒の進路希望や地域のニーズに沿った普通科への類型コース設置、中高一貫教育校の未設置エリアへの設置、ICT(情報通信技術)環境の整備などが明記されている。

474534 1 県予算の現場 2019/03/06 05:00:00 2019/03/06 05:00:00 2019/03/06 05:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/03/20190305-OYTAI50007-T.jpg?type=thumbnail

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