ノーミスで美しさ追求 新体操

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ノーミスで表彰台を目指す県代表チーム(左手前から鳥丸選手、石津選手)
ノーミスで表彰台を目指す県代表チーム(左手前から鳥丸選手、石津選手)
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 「違う!」「爪先!」「落下!」――。国体の本番まで3週間に迫った8月14日、日立市内の体育館に比企野智子監督の厳しい声が響き渡った。

 個人演技の練習で、音楽は何度も途中で止まり、ステップ、タイミング、上げた足の角度など細かい点に厳しい指摘がなされていく。選手はピンと張りつめた空気の中、何度も何度も言われた箇所をやり直す。ストイックな取り組みを象徴するのはその後だ。

 監督に見てもらう中央のマットで練習が終わると、隣のマットで練習していた選手たちが集まってくる。「すみませんでした」。自分の番が終わった選手は仲間に謝りながらマットを出て、次の選手がまた中央のマットに上がっていく。

 この習慣はミスをなくすために取り入れられた。マットを下りて交代する際、自分の演技について「3回(手具が)落下してしまいました」などと振り返り、原因を分析し、次はどこに気をつけるかという改善点を仲間に伝えることで自覚を高めていく。

 国体では、フープ、ボール、クラブ、リボンと1人1種目行う個人演技と5人で演技する団体の合計得点で順位を競う。採点基準は技の難易度、完成度、姿勢や演技の美しさなど。表情や足を上げる角度、手の動きなど、全身気を抜くことができない競技だ。県代表の目標は「表彰台」。一人ひとりの小さなミスの積み重ねが結果を大きく左右するから、「ノーミス演技」が前提だ。

 茨城高2年の鳥丸万梨子主将(16)は「個人演技は4本ノーミスじゃないとだめ。次に演技する人が仲間のミスを取り戻すため、頑張らなきゃいけないから」と、きゅっと表情を引き締める。ミスをして重圧というバトンを仲間に渡すわけにはいかないという。

 比企野監督は「タイムや、ゴールの数で順位が決まらないのが新体操の難しさ」と話す。可憐かれんな演技は、わずかなミスが命取りという繊細なバランスのうえに成り立っている。だから、ノーミスの秘訣ひけつは練習を重ねるのみ。選手も汗だくになりながら、何度も何度も同じことを繰り返す。

 中央高校2年でフープ演技の石津愛莉選手(16)は昨年の福井国体にも出場したエース的な存在。国体では会場の広さ、応援する観客の多さに圧倒されたという。「本番は一発勝負。どんなに練習しても本番で100%の演技ができるとは限らない。だからこそ練習で追求し続けないと」。そう言ってうなずくと、再びマットへ戻っていった。

 完璧な演技を求め続ける日々。週に5日、1日数時間の練習に妥協はない。笑顔で表彰台に上るため、努力を重ねる高校生たち。ひたむきさの結晶が、茨城国体の開幕を告げる。(浜口真実)

 ◇

 茨城国体は9月7日の新体操から競技が始まり、同28日の総合開会式以降、本格化する。天皇杯(男女総合優勝)と皇后杯(女子総合優勝)獲得のためには、得点配分の高い団体競技での上位入賞が不可欠。仲間との絆を深め本番を迎えるペア・団体競技に臨む選手たちを紹介する。

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771301 0 共に頂点へ 2019/08/30 05:00:00 2019/08/30 05:00:00 2019/08/30 05:00:00 ノーミスで表彰台を目指す県代表チーム(左手前から)鳥丸選手、石津選手(8月14日午後0時36分、土浦市で)=浜口真実撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/08/20190830-OYTAI50006-T.jpg?type=thumbnail

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