共に練習以心伝心 空手 染谷 香予 選手28 真有美 選手26 ★絆

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姉妹での五輪出場を目指す姉香予(左)と妹真有美の両選手
姉妹での五輪出場を目指す姉香予(左)と妹真有美の両選手
突き技を繰り出す妹の真有美選手(昨年9月の茨城国体で)
突き技を繰り出す妹の真有美選手(昨年9月の茨城国体で)

 姉妹でかなえたい夢がある。兄に影響され、幼い頃から始めた空手。高校、大学、練習先も同じ道を選んだ2人は、五輪への挑戦も共に歩んでいる。

 「妹にしか見せられない姿もある」。姉の香予は言う。妹の真有美が出場できなかった2018年11月の世界選手権は、無念の1回戦敗退。それでも、日本勢の最年長だ。「弱みを簡単には見せられない」。弱音も反省も吐き出せる妹がいないことで、息苦しさにさいなまれた。

 帰国して部屋に戻るとサプライズが待っていた。妹が机の上に手紙を置いてくれていた。「次は自分も出られるように頑張る。五輪に向かって一緒に頑張っていこう」――。毎月のように国内外への遠征が続く過密な日程で重圧も増す中、ふっと気負いが抜けていくのを感じた。

 頼りにしているのは妹も同じだ。昨年9月、東京での国際大会。準決勝は同点になった。ポイントを先取していたため、規定により決勝進出を決めたと思ったが、一転、終了間際の相手の突きが認められ、決勝進出を逃す結果になった。

 「なぜもっと攻めなかったのか」。そう自らを責める中、姉は「駆け引きの結果。気にすることないよ」と慰めてくれた。「お互いさまだけど、空手に対して完璧を求めすぎる」。妹の性格を理解した上でのフォローだった。妹は気がめいってネガティブ思考に陥る手前で救ってもらい、気が楽に。「どんなときも一緒にいてくれることが心強かった」と感謝する。

 幼少期から濃密な時間を過ごし、今もアパートで一緒に暮らす。練習場所も遠征先の部屋も同じだ。「何をしていても一番に誘うのは妹」と姉が言えば、「姉は空手の強さ、人の強さの両方を持っている」と妹は慕う。当然、2人にしか分からない感覚の世界もある。「突きのタイミングを1・5倍早く」。そんな以心伝心の助言もあるそうだ。

 東京五輪で新競技となった空手。従来の大会で5階級ある組手女子は、55キロ級、61キロ級、61キロ超級の3階級で行われる。各階級で五輪の舞台に立てるのは1人だ。現在、世界空手連盟の東京五輪ランキングで妹は61キロ級日本勢トップの10位。一方の姉は61キロ超級で、3位の植草歩に次ぐ2番手の10位と厳しい状況にある。

 イバラの道は覚悟のうえだ。姉が重量級の61キロ超級で戦うことを選んだのは、2人での出場をかなえるためだからだ。姉妹はともに1メートル62で体重は数キロ差。姉は中量級の61キロ級でも戦えるが、階級を下げれば妹と争うことになる。「一番に出たいのは中量級じゃないの?」と妹は気遣うが、姉は体格差のある選手との戦いを強いられても、こう返す。「自分がやりたくて今の階級にいるから」

 小学生の頃、プロテクターを着けた父親を相手に打ち込んで練習を重ねた。それが姉妹の原風景。夢の舞台も一緒に迎えたい。(加藤遼也)

父と鍛えた「突き」

 姉妹は幼少期から父に教わった「突き」にこだわりがある。「技の線を出せ」との表現で鍛え上げられ、一本の線のように大きく突いて大きく引くことで、フォームの奇麗さや力強さを出してきた。

 特に妹は得意とし、優勝した昨年の茨城国体でポイントを奪ったのは全てこの「突き」。まずは相手の体全体をぼんやり見つつ、目線の動きで出方を見極める。相手のリーチや得意技を勘案して間合いを計り、出鼻をくじくように技を繰り出すのが成功のコツという。

 そめや・かよ そめや・まゆみ 古河市出身。古河三中から埼玉・花咲徳栄高、帝京大学と同じ学校に通った。姉はテアトルアカデミー(東京)所属、妹は茨城県に所属しながら、ともに帝京大を練習拠点にしている。姉は12年世界選手権で優勝。妹は14年世界選手権で3位、昨年の茨城国体成年女子組手で優勝した。

無断転載禁止
997136 0 懸ける ~KAKERU~ 2020/01/12 05:00:00 2020/01/12 05:00:00 2020/01/12 05:00:00 姉妹での五輪出場を目指す姉・染谷香予(左)と妹・染谷真有美(12月20日午前11時12分、東京都の帝京大学八王子キャンパスで) https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/01/20200112-OYTAI50011-T.jpg?type=thumbnail

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