鷹見泉石初の本格評伝 古河藩家老 青学大名誉教授が執筆

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鷹見泉石の評伝を出版した片桐さん
鷹見泉石の評伝を出版した片桐さん

 古河出身で土井利厚、としつらの古河藩主2代に仕え、藩政と幕政を支えた家老の鷹見泉石(1785~1858年)に関する初の本格的評伝が10日、中公叢書の1冊として中央公論新社から刊行された。泉石は渡辺崋山筆の肖像画でも知られる。

 評伝は、「鷹見泉石 開国を見通した蘭学家老」。著者の青山学院大名誉教授、片桐一男さん(84)(千葉県船橋市)は、古河歴史博物館が1990年に開設される際、鷹見家資料学術調査団の団長として、8000点を超す膨大な資料の目録を作成した。

 泉石は、藩主利厚がロシアのレザーノフ長崎来航事件(1804年)で担当の老中になったことで、その近侍として対外応接資料の調査を命じられた。それをきっかけに、北方問題(対ロ交渉)と蘭学に開眼し、長崎奉行所やオランダ通詞らから海外情報(情勢、地図、言語)の収集に努め、その知見が幕府の要人にも影響を与えたことが、本書で紹介されている。

 特に北方事情に詳しかったことから、蝦夷えぞ地に赴任する幕府の役人は必ず泉石を訪ね、教えを乞うたという。また、利位が大坂城代の時に起きた大塩平八郎の乱(1837年)では、古河藩家老として、鎮圧を陣頭指揮したことも描かれている。泉石は62歳で古河に隠棲いんせいしたあとも蘭学研究と情報収集を続け、オランダ、ベルギーの詳細な地図である「新訳和蘭国全図」を刊行した。

 片桐さんは、外国語で記されたものを含め、難解な資料を一つひとつ丹念に読み解く作業を結実させ、「泉石研究に取り組んで55年、やっと念願の評伝が書けた」と述懐。「役務に精励する中で蘭学に開眼し、海外情報を集めただけでなく、蘭学研究を自ら楽しんだ生き方に感銘を受けた。泉石が詳しかった北方問題は現代に通じており、ぜひ多くの人に読んでほしい」と話している。

 地元古河の書店「かもじや本店」の五百部いおべ政一社長は「古河市民は歴史に関心が高く、先週注文した20部の半分がすでに売れた。泉石を知らない人にも読んでもらいたい」と話していた。

 「鷹見泉石 開国を見通した蘭学家老」は四六判224ページ。定価2000円(税別)。全国の主な書店で販売している。

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446175 0 ニュース 2019/02/16 05:00:00 2019/02/16 05:00:00 2019/02/16 05:00:00 片桐さんと出版した鷹見泉石の評伝 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190215-OYTNI50016-T.jpg?type=thumbnail

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