発達障害の体験漫画に 特性動物キャラで紹介 描いた筑波大職員 「理解のきっかけに」

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動物キャラクターで発達障害を紹介した漫画
動物キャラクターで発達障害を紹介した漫画

 発達障害のある筑波大職員が、自身の体験などを基に、同障害の三つの特性を動物キャラクターでコミカルに紹介した漫画を描いた。同大准教授の発案で、同障害に悩む学生が自己紹介で使えるよう、それぞれの特性などを漫画にするプロジェクトも始めた。「発達障害は恥ずかしいことではない。社会で理解が広まるきっかけになれば」と期待している。(大山博之)

 漫画のタイトルは「ヒトはそれを『発達障害』と名づけました」。ダイバーシティー(多様性)の推進や障害のある学生らの支援などを行っている、同大ダイバーシティ・アクセシビリティ・キャリア(DAC)センター職員のダックスさん(ペンネーム)が執筆した。漫画が趣味で、担当する広報活動の一環で、昨年4月からツイッターで数ページずつ公表し、同8月までに約50ページ分になった。

 漫画には、本人がモデルのダックスフントや、自閉症スペクトラム障害(ASD)の「ネコくん」、注意欠陥・多動性障害(ADHD)の「トリさん」、学習障害(LD)の「サカナちゃん」といった動物キャラクターが登場。ネコくんは人の気持ちを理解しづらく人との交流が不得意で、物事へのこだわりが強く、赤ちゃんの時から持っている布を手放せない。トリさんは忘れっぽく、じっとするのが苦手だ。話の途中で漫画の枠を破壊したりチョウを追ったりととっぴな行動をとってしまう。

 エピソードの多くは、ASDとADHDがあるダックスさん本人の体験を基にしている。子供の時、家族旅行の新幹線内で一方的に延々としゃべり続けて親を困らせた。次から次へと頭の中に考えやイメージが湧いてきて寝付けない。宿題や教科書を忘れることは日常茶飯事だった。

 「親にもなかなかわかってもらえなかった。解決法はないと思って一人で苦しんできた」と振り返る。発達障害とわかったのは学生時代、睡眠障害の影響が深刻になり診察を受けたのがきっかけ。病名が判明して対処法がわかり、「価値観が変わった」という。漫画では「自分の特性をあらかじめ相手に伝える」「メモを日常的にとる」といった対処法も例示した。

 漫画を監修したセンターの佐々木銀河准教授(障害科学)は「発達障害といっても特性は一人ひとり異なる。漫画にすればイメージが伝わりやすい」と語る。漫画は同大サイト(https://dac.tsukuba.ac.jp/radd/joint-base/manga/)で公表されている。複製や配布、改変は自由。

 ダックスさんには、人の話を聞きながら、メモ代わりに内容をそのままイラストにできる特技がある。学生時代も講義にスケッチブックを持ち込み、全てイラストにしていたという。

 プロジェクトはそんな様子を見ていた佐々木准教授の発案で昨年11月から始めた。発達障害のある学生の希望者から話を聞き、その人の得意や不得手、配慮してほしいことなどをA4判2枚の漫画にまとめ、自分を紹介する「トリセツ(取扱説明書)」として活用してもらう試みだ。作成には約1か月かかり、既に複数から依頼を受けた。「空気のように、発達障害への配慮が無意識に生まれる社会になるといい」。ダックスさんはそう願っている。

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1011711 0 ニュース 2020/01/21 05:00:00 2020/01/21 05:00:00 2020/01/21 05:00:00 動物キャラクターで発達障害を紹介した漫画 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/01/20200121-OYTNI50011-T.jpg?type=thumbnail

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