茨城空港あす10年 「コンパクト」売りに

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

利便性や収益源課題

茨城空港の1階中央ロビーには、開港10周年を記念した懸垂幕が掲げられている
茨城空港の1階中央ロビーには、開港10周年を記念した懸垂幕が掲げられている
コンパクトな造りが特徴のターミナルビル(1月22日、小美玉市で)
コンパクトな造りが特徴のターミナルビル(1月22日、小美玉市で)

 茨城空港(小美玉市)が11日、開港10周年を迎える。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、中国便全5路線が運休するなど苦しい状況が続くが、昨年の空港旅客数は過去最高の約82万人を記録。「コンパクトな空港」を売りに新たなビジネスモデルを築いてきた空港は、利便性の向上や収益源の確保といった多様化も求められている。

(岩浅憲史)

 「ありがとう!おかげさまで10周年」――。茨城空港ビル管理事務所は3日、感謝を込めた懸垂幕(縦4メートル、横3メートル)を空港1階中央ロビーに掲げた。同空港では現在、国内4路線(札幌、神戸、福岡、那覇)と中国5路線、台湾1路線がある。さらなる飛躍に向けて大井川知事は9日、「北関東の空の玄関口として交流人口の拡大を図り、県内経済の活性化につなげる」とのコメントを発表した。

 同空港は航空自衛隊百里基地を民間と共用する形で整備され、国が管理、県が就航や利用促進を担う。

 開港前の2007年10月には、県の空港対策室が空港対策課に格上げされ、課員は航空会社数十社に国内線や国際線の誘致を目指したが、各社の反応は厳しいものだった。当時について、渡辺秀和課長は「『需要が見込めない』『羽田空港に経営資源を集中したい』と言われる状況だった」と振り返る。

 そんな中で県が注目したのがLCC(格安航空会社)だった。

 当初、茨城空港は▽出発ロビーは2階▽到着ロビーは1階▽ボーディングブリッジ(搭乗橋)は2基設置――の計画だったが、県は07年度、LCCに対応した「コンパクトな空港」への設計変更を図った。

 ビル1階に出発・到着ロビーを集約し、乗客はタラップを利用した乗り降りに変更。航空機がエプロン(駐機場)を自走して転回することで専用車両を使わずに済み、航空会社の人員やコスト削減、費用負担の軽減を図った。

 他空港との差別化を図るこうした取り組みに、スカイマークや春秋航空などが関心を持ち、相次いで路線の開設につながった。

 昨年8月以降は、神戸便が3便化され、西安、長春、福州、南京を結ぶ中国路線が相次いで開設した。

 そんな空港の先行きに漂う不透明感が、新型コロナウイルスの感染拡大だ。中国の5路線は最長3月28日まで運休となり、県空港対策課の渡辺課長は「いち早い終息を願うしかない」と語る。

 一方で、「関東3県の玄関口として伸びしろがあり、実績を積み上げていく」と力を込める。国と県の間で「1時間に1発着」という取り決めがある発着枠について、将来的な増便化や新規路線就航を見据え、国との見直し協議を進める考えだ。

 茨城空港の成長について、戸崎肇・桜美林大教授(航空政策)は「いち早くLCCに注目した地方空港の成功モデル」と評価する。一方で、「さらなる誘客には『多様化』を図る必要がある」と指摘し、▽アジア近隣国以外への就航促進▽バスやレンタカーといった交通利便性の向上▽空港ビルの収益源の確保――などを挙げている。

無断転載禁止
1097964 0 ニュース 2020/03/10 05:00:00 2020/03/10 05:00:00 2020/03/10 05:00:00 茨城空港1階中央ロビーには、開港10年を記念した横断幕が設置されている https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/03/20200309-OYTNI50012-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

アクセスランキング

新着クーポン

NEW
参考画像
10000円9000円
NEW
参考画像
クーポンご提示のお客様に粗品プレゼント
NEW
参考画像
4200円3780円
NEW
参考画像
1560円1300円

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
The Japan News
発言小町
OTEKOMACHI
ささっとー
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
YOMIURI BRAND STUDIO
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
挑むKANSAI
読売新聞社からのお知らせ