プログラミング授業に力 鹿嶋市、アントラーズ
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5小学校で
ITに精通した人材を地域で育てようと、サッカー・J1鹿島アントラーズと鹿嶋市は、市内の小学校5校で実践的なプログラミングの授業を始めた。鹿島のスポンサー企業が学習システムを提供。児童らはゲームを通して、プログラミングの基本を学んでいる。
■ゲームを活用
「ほんとに雨が降ってきた」「土砂降りだよ」。10月26日午前、鹿嶋市立三笠小の教室で、5年生の児童がタブレット端末の画面を指さし、次々と声を上げた。
行われていたのは、プログラミングを基礎から学習する授業だ。鹿島のスポンサー企業の子会社で、オンラインでプログラミングのスクールを運営する「キラメックス」(東京都)が携わる。
児童らは、ブロックを積み上げて自由に建物などを作るゲームに挑戦しながら、コンピューターに動作を命令する「コマンド」についても、キラメックスの講師から入力の手順を教わった。キーボードで英単語や記号を入力してゲームの設定内容を修正し、雨を降らせたり、キャラクターの動きを変更したりしていた。
女子児童(10)は「難しいと思っていたけど楽しい」と話していた。
■実践的な教育
コマンドを1字でも間違えると、コンピューターは思った通りに動かない。コマンドを正確に入力することは、プログラミングの基礎知識を習得することにもつながるという。
プログラミングは、今年度の新たな学習指導要領から小学校で必修化された。市は高度なプログラミング教育を実践したい考えで、授業はキーボードの操作や英語に慣れる絶好の機会となっている。
市教育委員会の神宮司剛さんは「本当のプログラミングに近い授業ができるようになった」と話す。
■地域に貢献
鹿島や鹿島の親会社でIT分野に強みを持つフリマアプリ大手「メルカリ」(東京都)は、高齢化や人口減など地域が直面する課題の解決に関心を持つ。地方創生に貢献することを目指しているという。
そこで掲げるのが、ICT(情報通信技術)などを活用した「スマートシティー」の整備。自宅や自動車などの生活基盤と、交通機関や電力などの社会基盤を通信でつなぎ、サービスの効率化や充実を目指す都市のモデルだ。
このため授業には、構想実現に向けたプロセスという側面がある。鹿島の地域連携チーム・吉田誠一マネジャーは「地域に人材が育たないと、ICTを基盤とした街づくりは実現できない。小学生の頃から、プログラミングに触れる機会を持ってもらうことが重要だ」と語る。