文字サイズ

    ツル越冬 柴山潟快適…マナヅル、ナベヅル飛来

    新たな滞在地の可能性

    • 1か月ほど柴山潟の干拓地で過ごしたマナヅル(11月2日、小松市内で)=竹村一朗撮影
      1か月ほど柴山潟の干拓地で過ごしたマナヅル(11月2日、小松市内で)=竹村一朗撮影
    • 柴山潟周辺に飛来したナベヅル(2017年12月)
      柴山潟周辺に飛来したナベヅル(2017年12月)

     加賀市の柴山潟周辺に近年、マナヅルやナベヅルなどの希少なツルの仲間が冬の渡り鳥シーズンに飛来し、長期間過ごすことが相次いでいる。マナヅルは今年も10月下旬に飛来して1か月ほど過ごした。過去にはナベヅルなども飛来しており、野鳥の愛好家らは「新たなツルの越冬地となる可能性もある」と期待している。

     長年、柴山潟を中心に野鳥の観察や撮影をしている愛鳥家、寺谷泰彦さん(64)によると、今年はマナヅルの若鳥1羽が10月20日に飛来した。マナヅルの越冬期間中の長期滞在は2年連続で、11月15日まで、小松市や加賀市の干拓地で過ごした。

     昨年は、マナヅル9羽とナベヅル1羽が11月から42日間滞在した。このほかナベヅル3羽とソデグロヅル1羽は2016年1月から70日間、越冬したという。

     加賀市の鳥類生息調査によると、柴山潟周辺への飛来は、直近3年間では、マナヅルは16年3月に1羽、17年12月に9羽。ナベヅルは17年12月、ソデグロヅルは16年1月に、1羽ずつ記録されている。

     マナヅルとナベヅルは中国北東部とロシアの境を流れるアムール川流域を中心に繁殖し、国内最大の越冬地としては鹿児島県の出水平野が知られる。日本海側ではあまり越冬してこなかったが、餌場や水場が豊富なことから飛来の途中で寄って過ごしているとみられる。

     ツルは学習能力が高く、同じ越冬地に飛来する傾向があるため、新たな越冬地として、柴山潟周辺を選んでいる可能性がある。ツルにとって、越冬地を分散化することで、伝染病発症時の大量死などを防げる利点がある。

     愛鳥家の寺谷さんは「柴山潟一帯は、冬場でも餌があり、ツルにとっては過ごしやすい自然環境が整う」と指摘。その上で、「追いかけ回したりすると、逃げて戻ってこない。越冬地となるには見る側のマナーも大切だ」と呼びかける。

    ◆マナヅル 全長約127センチ。国の特別天然記念物。シベリア東部の湿原で繁殖する。朝鮮半島などのほか、鹿児島県の出水平野では11月から翌年2月ごろまで、世界全体の5割ほどにあたる3000羽ほどが越冬する。

    ◆ナベヅル 全長約100センチ。国の特別天然記念物。シベリア東部の湿原で繁殖し、日本へは10月から翌年3月にかけて飛来する。鹿児島県の出水平野では、世界全体の9割ほどにあたる約1万3000羽が越冬する。

    2018年12月03日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    PR
    今週のPICK UP

    理想の新築一戸建て