暴風雪けが人や建物被害 11市町で停電、大雪警戒続く
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急速に発達した低気圧の影響で、県内は7日、各地で大荒れとなり、けが人や建物への被害などの影響が出た。全域に一時発令されていた暴風雪警報は解除されたが、全域には大雪警報が発令されており、降雪は8日以降も続く見込み。金沢地方気象台では、引き続き警戒を呼びかけている。
■輪島強風39・6メートル
同気象台によると、7日午後4時現在の最大瞬間風速は、輪島市三井で観測史上最大となる39・6メートルを記録したほか、羽咋市で36・0メートル、金沢市で32・5メートルなどとなった。最大積雪量は白山河内で35センチ、加賀菅谷で19センチ、珠洲市で13センチを観測するなどした。
風雪によって人や建物の被害も発生した。能美市消防本部によると7日午後2時25分頃、能美市内で、強風で飛ばされた小屋のトタン板が70歳代女性の頭にあたり、軽傷を負った。金沢市では、少なくとも9人が風にあおられて転倒し、病院に搬送された。同市では、空き家で倒木やフェンスの倒壊があったほか、住宅のトタンが剥がれるなど、午後5時半現在で計36件の建物被害が出た。
県警交通企画課によると、7日午前9時までの24時間に県内で21件のスリップ事故が発生した。北陸電力送配電によると、午後4時現在で野々市市や金沢市など11市町で延べ約8100戸が停電した。
■新幹線運休も
JR西日本金沢支社は7日、特急列車や普通列車で計画運休を実施。北陸新幹線は、上下線計3本で強風の影響で遅延が発生。下り線1本(富山―金沢駅間)は運休となり、影響人員は計約1400人に上った。在来線は8日も引き続き計画運休を行い、「サンダーバード」や「しらさぎ」など特急は午前9時頃から最終までを運休とし、普通列車は北陸線の小松―福井駅間と福井―敦賀駅間の全線を、正午過ぎから午後4時頃までと、午後7時過ぎから最終まで運休する。
日本航空と全日空は、8日も小松空港発着の全便を欠航とする予定。
■県が対策会議
県の各部局の担当者は7日、県庁で会議を開き、市町や防災機関との連携を確認するなどした。県危機対策課の荒木浩一課長は「電線への着雪による停電や水道管の凍結などに十分注意してほしい」と呼びかけた。
羽咋市教育委員会は、大雪が続く恐れがあるとして、8日に市立小中学校全8校で臨時休校とすることを決めた。市教委の担当者は「児童生徒の安全確保を優先したい」としている。
■積雪増の可能性
8日午前6時までに予想される12時間降雪量はいずれも多いところで、平地で30センチ、山地で40センチとなっている。降雪は10日頃まで続き、今後、積雪が増える可能性があるという。風は8日以降も注意報級の強風となる見込みで、担当者は「不要不急の外出は避けてほしい」と話した。