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海外派遣延期 地域で力蓄積 JICA協力隊候補

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レクリエーション集を手にする加藤さん
レクリエーション集を手にする加藤さん

 新型コロナウイルスの影響で海外への渡航が制限される中、今年度から海外で活動予定だった国際協力機構(JICA)の海外協力隊の候補者が、県内の福祉施設に派遣されている。派遣が延期になった候補者のために、JICAが特別派遣前訓練の一環として活動の場を提供。高齢者や地域住民の支援を通じて、コミュニケーション技術や課題解決能力の向上に取り組んでいる。(禰宜雄一)

 「姿勢を正して深呼吸をします」

 「首を前と後ろに3回倒してください」

 小松市野田町の福祉施設「三草二木 西圓寺」では、千葉市の加藤なつみさん(28)が昼食前、高齢者や障害者らと一緒に誤嚥ごえんを防ぐための嚥下えんげ体操を行っていた。

 加藤さんは、東京都内の病院の高度治療室(HCU)で勤務する看護師だった。以前から途上国の支援に興味があり、仕事の傍らで、NGOやNPOの情報を収集したり、海外でボランティア活動に携わったりしてきた。

 そして2019年夏、2回目の受験で青年海外協力隊の選考に合格。20年3月に病院を退職し、夏からエジプトの大学病院で看護師の技術向上などに取り組む予定だったという。新型コロナの流行で出国が延期になったことについて、加藤さんは「目標にようやく手を伸ばしかけたのに、夢が夢のままで終わってしまうのではないかと不安だった」と振り返る。

 JICA北陸によると、新型コロナの影響で、海外で活動中の隊員約2000人が同年4月までに帰国を余儀なくされ、多くの候補者は現在も出国の見通しが立っていないという。

 そのため、JICAは同年8月から、特別派遣前訓練として全国の自治体や社会福祉系の団体などに、候補者の派遣を始めた。JICA北陸の担当者は「候補者のやる気の維持や社会貢献に加え、海外派遣後に必要となる現地での課題発見、問題解決の能力を養うことにつながる」と意義を説明する。

 加藤さんは、新型コロナの無症状者が滞在する滋賀県内のホテルで感染者の健康管理などに携わり、8月から福祉施設での訓練に参加。発達障害の児童らと一緒に運動をしたり、高齢者や知的・身体障害者らの食事の介助などの生活支援をしたりしている。

 高齢者や障害者らの食事に関する課題の解決策の一つとして、嚥下体操の導入を提案した。風船バレーや新聞玉転がしなど利用者が楽しめる活動や、そのルールをまとめた冊子も作成した。レクリエーションの際には、利用者自身に取り組みたい内容を選んでもらうことで、自発的な活動を促すように工夫している。

 加藤さんは「利用者と信頼関係を築き、食事を食べてくれたり、笑顔を見せてくれたりした時にやりがいを感じる」と話す。同年11月までだった訓練期間を2月まで延長することを決めており、「地域の人との交流など、まだまだここでやりたいことがある。この経験を海外の活動でも生かしたい」と意気込んでいる。

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1758391 0 ニュース 2021/01/09 05:00:00 2021/01/09 05:00:00 2021/01/09 05:00:00 レクリエーション集を手にする加藤さん(26日午後2時38分、小松市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/01/20210109-OYTNI50008-T.jpg?type=thumbnail

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