大雪車中で60代重体 内灘の駐車場 排ガス逆流、中毒か 金沢では住宅損壊 特急列車は運休
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強い冬型の気圧配置が続いた影響で、県内は10日も午前中を中心に広範囲で強い雪が降った。内灘町では、駐車していた車の中で意識不明の男性が見つかり、重体となったほか、七尾市では除雪作業中の男性2人が負傷。金沢市内では家屋の一部が倒壊する被害も発生した。金沢地方気象台は11日明け方にかけても、除雪が困難な積雪になる恐れがあるとして、引き続き不要不急の外出を控えるよう呼びかけている。(禰宜雄一、福原悠介)
■積雪1メートル超え
同気象台によると、10日午後4時までの24時間降雪量は白山市河内で28センチ、加賀市菅谷で25センチ、金沢市で23センチなどを記録。同午後4時現在の最大積雪量は、白山市河内で135センチ、加賀市菅谷で125センチといずれも1メートルを超え、珠洲市で83センチ、金沢市で65センチなどとなっている。
降雪の影響でけが人なども相次いだ。県危機対策課などによると、10日午後2時20分頃、内灘町の飲食店駐車場に止まった車の中で、60歳代の男性が倒れているのが見つかった。男性は意識不明の重体で、津幡署は雪でマフラーが塞がれ、逆流した排ガスで一酸化炭素中毒になったとみている。また、七尾市小島町で9日午後7時40分頃、60歳代男性が除雪作業中に転倒。10日午前9時半頃には、同市大田町で、80歳代男性が除雪作業中に除雪機の下敷きになった。いずれも軽傷だという。
金沢市玉鉾では同日午前11時15分頃、雪の重みで民家2階部分のウッドデッキの一部が倒壊し、駆け付けた消防隊員らがロープで固定して対応した。住人の40歳代男性は「犬の散歩から帰る途中で、バーンという音が聞こえた。雪の心配はしていたが、まさか崩れるとは」と驚いていた。
■交通に乱れ
鉄道のダイヤの乱れも続いた。JR西日本金沢支社によると、北陸新幹線は金沢駅を午前中に発着する上下線計6本が運休となり、北陸線は特急列車の「サンダーバード」と「しらさぎ」の計78本の運転を終日取りやめた。
金沢駅では、特急列車の終日運休のアナウンスが流れ、切符の払い戻しや変更を求める人が窓口に列を作った。金沢市内に帰省していたという神戸市の大学4年生の女性(22)は「元々は3日前に帰るつもりだったが、雪でなかなか帰れない。新幹線で
福井県内で発生した車の立ち往生や除雪作業の影響で、県内の道路では通行止めなどの措置が取られた。北陸自動車道では、加賀インターチェンジ(IC)と福井県側のIC間の上下線が、それぞれ通行止めとなった。また、国道8号の熊坂交差点(加賀市)―福井県境の区間でも、車両が通行しないよう注意喚起が行われた。
■きょうも警戒を
金沢地方気象台によると、11日午後6時までの24時間に予想される降雪量は多い所で、加賀地方の平地で30センチ、山地で50センチ、能登地方の平地で30センチ、山地で40センチなどとなっている。同気象台は、交通障害や農業施設の被害にも警戒するよう呼びかけている。