通学の足増える選択肢/二つの新駅

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市への要望書などを挟んだファイルを見ながら、新駅ができるまでを振り返る田崎さん(12月14日、宮古市の自宅で)
市への要望書などを挟んだファイルを見ながら、新駅ができるまでを振り返る田崎さん(12月14日、宮古市の自宅で)
バス停に立つ久保田さん(右)。「本数が限られるので、三鉄とバスの使い分けが必要になるかもしれない」(12月29日、宮古市津軽石で)
バス停に立つ久保田さん(右)。「本数が限られるので、三鉄とバスの使い分けが必要になるかもしれない」(12月29日、宮古市津軽石で)

 三陸鉄道に移管されるJR山田線宮古―釜石駅間では、宮古市内に「八木沢・宮古短大駅」「払川駅」という二つの新駅ができる。いずれも周辺の人口が東日本大震災前より増え、地元が要望していた。通勤・通学の利便性向上や地域活性化への期待は大きい。

 「八木沢は国鉄の時代から開設を待ち望んでいた。念願の駅がようやくできる」。八木沢地区の自治会長、田崎敬一さん(79)は喜ぶ。

 宮古駅から2駅目の八木沢・宮古短大駅は、歩いて十数分の所に県立大学宮古短期大学部がある。学生は約200人。山田町からバス通学をしている人などは、リアス線の利用が見込まれている。周囲には高校もあり、市は1日当たりの乗客を152人と試算する。田崎さんは「駅周辺は空き地も多く、開発の余地はある。商業施設ができたらうれしい」と語る。

 さらに二つ先の払川駅は103人の利用を見込む。

 宮古市津軽石の宮古高1年、久保田智天ともたかさん(15)は津波で自宅が全壊し、払川地区近くに移った。入学当初は震災特例でJRの定期券を使ってバス通学をしていたが、昨夏から家族に車で送迎してもらっている。

 親の予定が合わない時などはバスを使うが、「満員で乗れない人もいた。道路事情によって到着時刻もまちまち」という。リアス線開通後は最寄りの払川駅からの列車通学を考えている。所要時間はバスより約10分短くなり、「親の負担も減らせる」と話す。

 地区の自治会長、中嶋栄さん(75)は「山田線が不通になってから、親が車で送迎することが多くなった。鉄道が再開して近くに新駅もできれば、生徒も親も楽になる」とほほ笑んだ。

津波免れ人口増 内陸側の山沿いにある八木沢、払川地区は津波被害を免れ、被災者が移り住んだ。八木沢地区には42戸の集合タイプの災害公営住宅が建設され、払川地区でも住宅再建が相次いだ。震災前の2011年3月の人口と比べると、18年は八木沢地区が87世帯55人増の817世帯1884人、払川地区は72世帯155人増の377世帯907人だ。

 ただ、市全体の18年の人口は5万3692人で、10年と比べて約1割、5738人減っている。コンパクトなまちづくりを進める市は、公共交通ネットワークで市内各地を結ぶ構想を描いており、駅は「地域をつなぐ小さな拠点」という位置づけだ。

 新駅の建設について、市企画課の多田康課長は「車でなくても市内を移動できるようにする思い切った決断」と語る。利便性向上が市の責務だとして、「割引率の高い回数券の導入など、他の自治体とも連携して知恵を絞りたい」と話した。(五島彰人)

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61238 0 つながる三陸鉄道 2019/01/06 05:00:00 2019/01/06 05:00:00 市への要望書や新聞記事などを挟んだファイルを見ながら、新駅ができるまでを振り返る田崎さん(14日午後0時1分、宮古市八木沢で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20190105-OYTAI50013-T.jpg?type=thumbnail

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