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震災後、輸送時間・コスト減で港湾コンテナ取扱量5倍に

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 県内の港湾施設は、東日本大震災で大きく被災し、県内唯一の国際コンテナ定期航路が就航していた大船渡港は、一時活動休止に追い込まれた。しかし、損害が軽微だった釜石港は、効率的な設備の導入や外国航路の開設などで急伸。大船渡港も再生可能資源の輸送などに活路を見いだし、県全体のコンテナ取扱量は、震災前の5倍近くに増えている。(西村魁)

「国際フィーダーコンテナ定期航路」の貨物船に積み込まれるコンテナ(4日、大船渡港で)
「国際フィーダーコンテナ定期航路」の貨物船に積み込まれるコンテナ(4日、大船渡港で)

 大船渡港に4日朝、京浜港へ向かう「国際フィーダー航路」の貨物船が寄港した。同航路は、地方港と京浜港(東京都・神奈川県)などの主要港を定期的に結ぶもので、日本の港湾の国際競争力を高めるため、国が後押ししている。大船渡には毎週土曜日に寄港し、この日は建築資材や牧草が入ったコンテナ10個を降ろした。その後、プラスチック原料や紙製品のコンテナ29個が積み込まれ、京浜港で別の船に積み替えられて、欧米などへ輸出される。

 大船渡は震災前年まで、中国、韓国との直通便があり、輸出入のコンテナ(実入り)取扱量が1860TEU(1TEU=20フィートコンテナ1個分)と、県全体の約95%を占めていた。しかし、津波で荷役機械が流され、休止を余儀なくされた。2013年9月に国際フィーダー航路が開設されると、取扱量は徐々に回復し、19年は震災前年の1・5倍の2773TEUと、最多を更新した。

 震災後、大船渡の穴を埋めたのは、荷役機械が津波から生き残り、早期復旧を果たした釜石港だった。11年7月には国際フィーダー航路を開設。その後、作業効率の高いガントリークレーンの設置や、内陸と沿岸を結ぶ釜石道の開通など、環境整備が進んだ。さらに17年11月には、上海(中国)や釜山(韓国)との直通便も就航。19年には震災前年の約120倍、県全体の7割の6782TEUまで急成長した。

 県内港の好調は、県内企業の利用増加が背景にある。震災前は、内陸部の多くの企業が仙台塩釜港や八戸港、京浜港などを使っていた。だが、県内港の荷役能力が向上し、道路整備が進むと、輸送時間やコストも抑えられるようになった。特に釜石港を利用する企業は、17年の45社から20年は113社まで増加した。

 一方の大船渡港は、釜石港への変更や不漁による輸出取りやめなどで、17年の26社から19年は17社まで減少。ただ昨年12月から、再生可能資源や産業廃棄物を国内輸送する「静脈輸送航路」の運航を始め、21社まで持ち直した。大船渡市の担当者は「釜石は中国や韓国に強いが、大船渡は欧米に強く、静脈輸送航路を持つなど、それぞれ特徴を生かしてすみ分けしていきたい」と語る。

 県は今年2月、花巻市で内陸部の企業を対象に「いわてポートフォーラム」を開催するなど、県内港の利用促進に力を入れている。佐藤辰実・港湾振興担当課長は「岩手の経済発展は物流の改善が鍵を握っており、企業誘致にもつながる。『岩手の貨物を岩手の港から』と発想を転換させたい」と話している。

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2242743 0 いわて経済便 2021/07/29 05:00:00 2021/07/29 05:00:00 「国際フィーダーコンテナ定期航路」の貨物船に積み込まれるコンテナ(4日午前7時57分、大船渡港で)=西村魁撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210728-OYTAI50009-T.jpg?type=thumbnail

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