優しい味わい 受け継ぐ

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あっさりしていてボリュームもあり、老若男女に親しまれている
あっさりしていてボリュームもあり、老若男女に親しまれている
新店主の藤原さん(左)と店を手伝う刈屋さん
新店主の藤原さん(左)と店を手伝う刈屋さん

 注文を受けてから大釜で丁寧にゆでた乳白色の縮れ麺が、煮干しとサバ、鶏ガラでだしを取ったしょうゆベースのスープに絡む。花のように丼に広がる6枚の薄切りバラチャーシューは自家製。内側はしっかりとした食感、外側は柔らかい脂身で、スープともあう。あっさりとして、どこか懐かしく優しい味わいに、心も温まった。

 ぴかいち亭は、刈屋建二さん(71)が1992年に開店。当時は定食も提供していたが、試行錯誤しながらつくりあげたチャーシュー麺が人気で、店の看板メニューに定着した。

 だが、近年は刈屋さんが高齢のため、休業せざるを得ない日も出てきた。後継者もおらず、店をたたむことも考えた。仕入れ先の市内のスーパーで働き、飲み友達だった藤原正行さん(53)に相談すると、「店をやめるなら、ぜひ俺にやらせてほしい」と返ってきた。

 若い頃は市内の飲食店で働き、いつか店を持ちたいと心に秘めていた藤原さん。ラーメン作りは素人だが、「仕事熱心な性格のこの人なら任せられる」と思った。刈屋さんも「働けるうちはサポートしてやるから」と背中を押した。昨秋にいったん店を閉め、脱サラした藤原さんと二人三脚で開店準備を進めた。

 迎えた門出の日は1月11日。暦の上で大安より運の良いとされる「 天赦日てんしゃにち 」と、物事を始めるのによい日とされる「 一粒万倍日いちりゅうまんばいび 」が重なる強運の日。

 藤原さんは「伝統の味を出さなければ、常連客も離れてしまう」と不安だったが、初日から常連客らが押し寄せ、「変わらない味だ」と舌鼓を打った。ゆでた麺をすくったり、レシピ通りに味を再現したり、まだまだ修業の途上だと自覚する。「新しく来る人にも『また来たい』と思ってもらえるような店にしていきたい」。藤原さんの精進は始まったばかりだ。

 

2度の災害と再起

 店は2度の災害に見舞われ、そのたびに再起してきた。東日本大震災の津波では、店舗の1階天井近くまで浸水。調理機器などが壊れたが、鉄筋コンクリートの建物は残り、機材を入れ替えて3か月後に再開した。2016年の台風10号でも店内が浸水。しかし、約1週間後にのれんを掲げた。

 復旧を手伝ってくれたボランティアに無償でラーメンを提供したり、家に泊めたりしたといい、頭が下がる。藤原さんには刈屋さんの味だけではなく、真心や不屈の精神も継いでほしいと思った。

 「チャーシュー麺」は税込み800円。「ラーメン」は同600円。中盛りは50円、大盛りは100円増し。チャーシューは量り売りもしている。

 住所は宮古市大通1の2の10。宮古駅から徒歩約10分、駐車場あり。営業は午前11時~午後3時。月曜定休。問い合わせは0193・63・7369へ。

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