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宮古盛岡横断道路開通で活性化の兆し

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フェリー再開に向けたメッセージ(右)が貼られた搭乗口は閉鎖されたままで、ひっそりと静まり返っていた(1日、宮古市の宮古港フェリーターミナルで)
フェリー再開に向けたメッセージ(右)が貼られた搭乗口は閉鎖されたままで、ひっそりと静まり返っていた(1日、宮古市の宮古港フェリーターミナルで)

往来増へかじ取りカギ

 宮古市長選が20日、告示される。沿岸で最多の人口を抱え、県内で最大面積を誇る同市だが、高齢化や人口減少が進む。交通網の整備による町の活性化に期待がかかる中、震災後の街づくりなど、同市が抱える課題を取り上げる。

 「宮古寄港早期再開に向けて取り組んでまいります」――。

 閉鎖された宮古港フェリーターミナル2階搭乗口の脇に掲示されたメッセージ。壁には市の観光ポスターも見られるが、搭乗口の扉は閉じられたまま。周りには人影もなく、ひっそりと静まり返っていた。

 同港では2018年6月、県内初のフェリー航路として北海道室蘭市との間を結ぶ定期フェリーが就航したが、昨年4月、わずか1年9か月余りで休止に追い込まれた。北海道と首都圏などを結ぶ輸送路としての役割や、市への観光客増が期待されての就航だったが、三陸沿岸道路の整備が遅れ、収益の柱とされたトラックの利用が計約6500台と、目標を下回ったことが響いた。

 しかし、今年3月に沿岸道路が仙台市まで開通。同月には盛岡市と結ぶ宮古盛岡横断道路も全線開通した。仙台や盛岡からのアクセスが大きく改善されたのを受け、市や商工会議所などは航路再開への要望活動を強めている。今のところ、再開のめどは立っていないが、宮古商工会議所の花坂康太郎会頭(69)は「港が栄えれば、町は必ず活性化する。新しい航路も含め、なんとかフェリーを寄港させたい」と力を込める。

 市などがフェリー再開を目指す背景には、市外から訪れる人を増やす「交流人口の拡大」がある。震災後、市の人口は減少の一途だが、両道路の開通を機に交流人口を拡大させ、地域の活力を取り戻す考えだ。

 市によると、震災前の10年3月1日時点の人口は6万887人だったが、今年3月1日時点では5万422人と約17%も減少した。高齢化に加え、震災後に古里を離れる人もおり、人口減に歯止めがかかっていない。これに対し、市は昨年、観光客誘致のため、宮古高校の生徒と一緒に制作した観光ガイドを発行。宮古市の企業と首都圏の人材をマッチングさせる取り組みを始めるなど、道路開通を前に、人を呼びこむ施策を打ち出している。

 道路開通後は、さっそく一部で効果も見え始めてきた。宮古盛岡横断道路が通る旧川井村にある道の駅「やまびこ館」では4月の利用客が2万3472人と、昨年4月(1万563人)から2倍以上に急増した。同駅は4月に大型遊具を設置し、家族連れがゆっくり過ごせる環境も整備。同駅の藤田ルリ子店長(52)は「ここまで利用客が増えるとは思っていなかった」と驚く。

 特に内陸部の川井地区では65歳以上の高齢化率が56・8%と市の中でも深刻だ。同地区には大きな産業もなく、とりわけ道路開通による交流人口拡大に期待がかかる。川井地域づくり協議会の中坪徳裕会長(67)は「道路開通によるにぎわい創出の効果を一時的なものでなく、今後も継続的に出していくことが必要だ」と話す。

 コロナ禍で観光を含めた人の往来はまだ鈍いままだ。コロナ後を見据えれば、道路開通の効果はこれからが本番と言える。開通効果をどのように引き出すか。懸案のフェリー再開も含め、市には長期的なかじ取りが求められる。

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2123872 0 宮古市の課題 ~市長選を前に~ 2021/06/15 05:00:00 2021/06/16 09:34:43 2021/06/16 09:34:43 閉鎖された搭乗口脇にはフェリー再開に向け、メッセージが貼られている(6月1日午後4時19分、宮古市磯鶏の宮古港フェリーターミナルで)=有村瑞希撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/06/20210614-OYTAI50002-T.jpg?type=thumbnail

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