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再訪増へ新たな策探る 教育旅行やガイドに力

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中尊寺金色堂の歴史を説明するガイドの畠山さん。通訳案内士の資格も持っている(平泉町の中尊寺で)
中尊寺金色堂の歴史を説明するガイドの畠山さん。通訳案内士の資格も持っている(平泉町の中尊寺で)

 「中尊寺の金色堂は平泉に現存する最古の建築物。建てられた平安後期のままの姿を見ることができます」。5月下旬、新人ガイドの畠山浩嗣さん(67)は額に汗を浮かべながら、体験学習で中尊寺を訪れた仙台市の中学生約30人に語りかけた。

 世界遺産に登録後、平泉町では観光振興に欠かせないガイドの育成に努めている。畠山さんが所属する「古都ひらいずみガイドの会」(岩淵洋子会長)も市から講師の派遣を受け、ガイドを育成。メンバーは10年前と比べて1・5倍の35人に増えた。畠山さんは「奥州藤原氏の歴史は奥が深い。興味を持った人が再び訪れてくれれば」と期待を寄せる。

 世界遺産に登録された5資産すべてがそろう平泉町。観光客は2011年の約192万人から登録後の12年には約264万人へと一気に増えた。その後、世界遺産効果は一段落したが、コロナ禍前の19年まではほぼ毎年、200万人以上が訪れている。

 だが、町には長年抱えている課題がある。宿泊施設が少なく、通過型の観光地になっていることだ。16年度の町の調査によると、観光客の町での滞在時間は4時間以下が65%程度を占め、宿泊者の割合は全観光客のわずか2%程度にとどまった。平泉観光協会によると、町内では1日に宿泊客を400人程度しか受け入れられないという。町はホテルなどの誘致も進めているが、思うような成果は出ていない。

 「増えているが、増やしすぎても、受け入れることができない」。そんなジレンマから町が現実路線として力を入れているのが、中長期も見据えたリピーター対策だ。将来も再び訪れてくれることを期待し、修学旅行や体験学習など教育旅行の誘致に力を入れている。ガイドの育成もそうした取り組みの一つだ。町観光商工課の八重樫忠郎課長は「身の丈にあった、平泉町らしい特徴のある施策を進めたい」と語る。

 ただ、平泉の文化遺産は、歴史を勉強すれば、奥深いが、建物などが復元されていない「地味」な遺跡もある。ネットにもそうした書き込みもみられる。

 そのため、町では従来のように歴史をPRするだけにとどまらない新たな施策も検討中という。その知恵を借りようと、一昨年末には、政府系観光ファンド「地域経済活性化支援機構」(東京)などと連携協定を結んだ。ファンドの担当者は「今夏には地域活性化のアイデアを提示できそうだ」と語る。

 目下のコロナ禍で昨年の観光客は約90万人までに減少した。観光客をどう回復させるかも課題となっている。地方の観光に詳しい「観光レジリエンス研究所」の高松正人代表は「今後は感染リスクを考え、大人数より少人数や家族で楽しむ旅行が主流になる」とした上で、「世界遺産を訪れる観光客は『一度見れば十分』と思いがち。世界遺産を見てもらうだけでなく、遺産以外の魅力を発掘することが大切だ」と提案している。

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2157955 0 登録10年 世界遺産の課題 2021/06/25 05:00:00 2021/06/25 05:00:00 2021/06/25 05:00:00 中尊寺金色堂の歴史について説明する畠山浩嗣さん。会社員時代にアメリカでの生活が長く通訳案内士の資格もある(平泉町の中尊寺で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/06/20210626-OYTAI50004-T.jpg?type=thumbnail

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