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バスで工業校舎に移動し、グラウンドへ走る商業校舎の部員ら(6月30日、宮古商工高校で)
バスで工業校舎に移動し、グラウンドへ走る商業校舎の部員ら(6月30日、宮古商工高校で)
ユニホームが異なる四校連合の選手たち。練習後、そろってグラウンドに一礼する(6月26日、岩谷堂高校で)
ユニホームが異なる四校連合の選手たち。練習後、そろってグラウンドに一礼する(6月26日、岩谷堂高校で)

 宮古商工では放課後、まず工業校舎の部員がグラウンドで練習を始める。その10~20分後、バスに乗って商業校舎の部員が合流。慌ただしくアップを済ませ、練習に加わった。

 同校は昨年度、宮古商と宮古工が統合して誕生。だが生徒たちは普段、別々の校舎で学んでいる。部員は商業校舎が22人、工業校舎が18人。声で雰囲気を作る商業の部員に対し、工業の部員はプレーで士気を上げるなど、プレースタイルが異なるため、発足後はまとまりにかけていたという。

 秋の県大会後、「ONE FOR ALL~1人はみんなのために~」をチームスローガンに掲げた。誰かがミスしても、「上向いていこうぜ」「気にしない」と全員で声かけし、部員の一体感を高める。

 チームの成長は、春の県大会に表れた。六回に逆転された花巻農戦の七回、荒川快主将(3年)が「長打より球を確実に手前に転がし、泥臭く自分たちのプレーをすればチャンスは来る」と、セーフティーバントを決めて同点に。八回に勝ち越し、ベスト8入りした。荒川主将は「春の勢いのまま粘り強く戦い、接戦をものにしたい」と意気込む。

 久慈は校舎建て替えのため、部員は学校のグラウンドを使ったことがない。放課後、自転車で約15分の市営球場へ向かう。練習時間は午後7時頃までに限られるため、塁に走者を置いた状態でバッティング練習を行うなど、実戦的な内容で質を高める。

 昨夏は、新型コロナウイルスの影響で大会が中止され、代わって行われた独自大会は原則無観客に。下級生は、声を出して応援できなかった。そこで3月の卒業式の日にサプライズで集まり、太鼓やメガホンでエールを送った。お互い涙を流す部員を見て、柴田護監督は「先輩の分まで頑張るという、強い思いを持っているこの子たちは、きっと強くなる」と感じた。

 春大会の準決勝では、花巻東に延長で敗れたが、3位に入賞した。宇部 天翔たかと 主将(3年)は「成長した姿を先輩に見せたい」と、今夏の飛躍を誓う。

 部員減から単独で参加できない岩谷堂、水沢農、前沢、北上翔南は、「四校連合」を作り大会に臨む。

 学校間の距離があるため、平日は各校で走り込みや素振りなどを行い、週末に岩谷堂のグラウンドに集まって合同練習する。それでも選手は12人しかいないため、試合形式は難しく、場面を想定したノック練習などで守備を固める。1球ごとに必ず「ナイスプレー」「しっかり捕ろう」と声をかけ合い、一緒に練習できる時間を大切にする。

 水沢農唯一の部員の葛西頼輝選手(3年)は「1人でもいいから野球を続けたかった。自分の学校だけでは出場できないので、チームを組めるのがうれしい」と笑顔を見せる。ユニホームは違っても、野球ができる喜びをかみしめ、一丸となって夏に挑む。

(この連載は斉藤新、三品麻希子、坂本俊太郎が担当しました)

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2184958 0 2年ぶりの夏 高校野球県大会 2021/07/07 05:00:00 2021/07/08 09:48:44 2021/07/08 09:48:44 放課後バスで移動し走ってグラウンドへ向かう宮古商工の野球部員ら(30日午後4時18分、宮古市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210706-OYTAI50064-T.jpg?type=thumbnail

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