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競歩・高橋英輝の歩き「世界級」 岩手大教授 清水茂幸さん60 学生時代の成長支える

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高橋選手も練習に使った岩手大の運動場で「日本選手の活躍に期待してほしい」と話す清水さん(16日、盛岡市で)
高橋選手も練習に使った岩手大の運動場で「日本選手の活躍に期待してほしい」と話す清水さん(16日、盛岡市で)

 「五輪の主要競技で欧米人に勝つには、あと100年くらいかかる」。1992年、筑波大で体育を研究していた頃、雑誌のインタビューにそう答えた。しかし、30年ほどたった現在、日本人選手は世界のトップで争えるようになった。特に岩手大で指導した高橋英輝選手(28)が出場する競歩は「いまや歩くフォームは、日本人選手が世界で一番洗練されている」と語る。

 新潟県上越市出身。初めて陸上競技に触れたのは小学5年の頃。地元の記録会に参加したことがきっかけで走り幅跳びに熱中した。筑波大で陸上部に入部。先輩の誘いで競歩の世界に入った。卒業後も同大に所属しながらF1レーサーの鈴木亜久里さんの専属トレーナーなどを務め、96年に岩手大の講師として赴任。陸上競技部のコーチに就任した。

 同大は当時、陸上界では無名の存在だった。1時間で済む練習を3時間かけて行う学生らに「練習は1日1時間まで」と課した。「先生、それじゃ強くなれないですよ」と言われたが、必要なのは集中力だと分かっていた。短時間の練習で集中力をつけ、自分の頭で考えさせる。そんな指導が実を結び、2002年以降、日本インカレで競歩や円盤投げなど4人の日本一が誕生。同大を東北でも有数の陸上強豪校に育て上げた。

 その手腕は高橋選手の指導でも発揮された。11年に同大に入った高橋選手は学業の傍ら競技を楽しみ、夜はラーメン店でアルバイトというごく普通の学生だった。だが、跳ねるように歩いていた「雑な歩き方」(清水教授)を改善するように徹底指導。スピードを出せる正しい歩き方を身に付けさせるとともに本人のやる気も引き出し、4年生の日本インカレでは大会新記録(当時)で優勝するまでに成長させた。

 卒業を控えた高橋選手に「就職はどうする?」と尋ねた時。「僕の実力なら市役所に勤めながら、ここで練習するのが現実的だと思います」との返事に「実業団に入って五輪を目指す気持ちはないか」と誘った。陸上界の名門・富士通の今村文男さん(54)に何度も断られながら「英輝はじわりじわりと実力を伸ばせる子だ」と頼み込み、7度目の依頼でようやく名門入りを実現させた。

 03年から日本陸上競技連盟(陸連)や日本オリンピック委員会(JOC)で競歩の強化スタッフを務め、現在も高橋選手が出場する国内外の大会に同行する。自身の手元を離れており、直接アドバイスを送る機会は少ないが、会うと「元気か」と声をかける。

 高橋選手は前回リオデジャネイロ五輪では42位に沈んだ。だが、19年の世界選手権では10位に入るなど課題のメンタル面も克服してきた。「実力は世界で3本の指に入っている。持っているものを徐々に発揮しつつある」と教え子の「歩き」に期待を込める。競歩を含めた日本選手団の活躍を聞くと、「ぜひ期待していてください」と力強い返事が返ってきた。

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2242679 0 ともに五輪へ 2021/07/28 05:00:00 2021/07/28 05:00:00 2021/07/28 05:00:00 高橋選手も練習に使った岩手大の運動場で、「日本選手の活躍に期待してほしい」と話す清水さん(16日午後4時9分、盛岡市で)=黒山幹太撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210728-OYTAI50006-T.jpg?type=thumbnail

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